経絡治療は気の流れ道である経絡と、経絡上にある経穴(いわゆるツボ)を利用して気血の流れを整えることを目的とした、東洋医学的な鍼灸施術の一つです。
気血の流れとは
現代医学に言い換えるなら、自律神経やホルモンバランス、免疫などのこと。
体内全体のバランスを整えることで、多くの症状を原因から改善していく技術です。
事故やケガなどの外的要因を除き、人間の病気のほとんどは気血の流れ=自律神経の乱れによるものです。
自律神経の乱れが小さければ一度の施術で大きな効果を得ることもありますが、大抵の方の場合、一度自律神経が乱れると一回の施術で完璧な状態に戻るものではありません。
なぜなら、あなたの脳や自律神経が、痛みやしびれなどの『症状が出ている状態が正しい』と認識しているので、一回施術を受けても、元に戻そうと働くのが彼らにとって正常なことだからです。
それだけに回数を重ね、脳や自律神経に正しい状態を認識させていくことが、今の苦しみから解放され、未来への不安のない【本来のあなた】に戻す唯一の道なのです。
経絡ってなに?
経絡と経穴は各臓腑と密接な関係を持ち、経絡が線路で経穴が駅のような関係です。
経絡は一本の輪のようにつながっていることから、東洋医学の聖典の一つ黄帝内経では、【環(たまき)の端無きが如し】と表現しています。
六臓六腑の計十二経絡が身体を巡り、それぞれ担当する部位(肩の前・後面、腰、すねなど)があり、環のごとくお互いに影響しあっています。(六臓六腑=肝・心・脾・肺・腎・心包・胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)
六臓六腑はそれぞれが肉体だけでなく、肉体と表裏関係である心や感情も司っていることから、経絡治療は心身バランスを整えることも可能です。
一本の輪を気が巡っており、なにかの影響で臓腑や気の流れの強弱が過剰になって病気になると、経穴に反応がでます。
経穴への鍼灸施術で強弱の度合いを平均値に収め、正しい気血の流れにすることで心身バランスを整えるのが経絡治療です。
そのため、頸肩部の症状であっても足の経絡・経穴を使って治療したり、その逆に手の経穴を使って足の治療を行うこともあります。
体内バランスが整っていくため、一度症状の改善がみられると、再発しにくい心身状態になっていきます。
「なんか最近調子悪いなぁ…」
「下痢と便秘を繰り返していて、すっきりしない」
などなど、日常のちょっとした不安や、いつも感じる「なんとなく…」が未病であり、大きな病気への前触れかもしれません。
そんな状態では毎日がなんとなく面白くなくてストレスを感じることでしょう。
こうした状態を改善して、もっと楽しく元気に暮らしていただくことも、東洋医学の得意分野です。
楽陽堂鍼灸院の鍼灸術、5つのメリット
- 症状への見立てが東洋医学
そのため、これまでの西洋医学主体の病院や整体・整骨などとは違った原因解明や、改善へのプロセスが得られます。 - 継続的に受診することで段階的に症状を改善に向かわせ、根本的改善=体質改善を目指せます。
- 髪の毛よりも細い鍼を使用し、刺入深度はほとんどの場合5㎜程度までです。痛みが少なく、刺激はソフトです。
- お灸もリラックスできる程度の熱で経穴を刺激していきます。
- 施術後に症状の原因や施術内容と養生法をまとめた、コンディションカルテをお送りします。日常生活でお役立てください。(希望者のみ)
楽陽堂鍼灸院の鍼灸術の3つのデメリット
- 深く刺して筋肉に直接刺激を与える、または電気を流すような施術は致しません。
- 本気で心身と向き合いたい方に鍼灸術を提供しております。そのため、一度で大きく解決することをご希望の方にも不向きです。
- 強い刺激、患部への直接的な施術をご希望の方、一度の施術で完治を目指す方には不向きです。