夏の飲み物代表格「スポーツドリンク」は自律神経失調への落とし穴!?

自律神経

ここ数年、夏が異常に暑いですね。

みなさん、熱気と湿気でやられてませんか?

小さいころからお世話になっているスポドリですが、実は自律神経を乱す可能性が…。

そこでちょっと成分表を見ながら、「夏はスポドリ」という常識を疑ってみましょう。

葛飾区亀有駅徒歩5分、【東洋医学専門】楽陽堂鍼灸院の山口です。

これを書いているのは2022年7月初旬ですが、すでに猛暑日が続いていて、外で日光を浴びていると意識がどこかに飛んでいきそうです。

1974年うまれの私が子どもの頃は、8月でも30℃を超えるとなると、大騒ぎだったような気が…🤔

さて、夏の飲み物と言えば、ポカリスエットやアクエリアスを始めとしたスポーツドリンク(以下、スポドリ)を飲んでいる姿を良く見かけます。

今回はそのスポドリについて、栄養学、東洋医学の面から覗いてみたいと思います。

結論:スポーツドリンクは自律神経の乱れを誘発する

結論から衝撃的な事実を書いていきますが、

スポーツドリンクは自律神経の乱れを誘発する。

これ、事実なんです

スポドリの栄養成分表示を見ると、塩分(ナトリウム含有量)が、0.12g/100mlとなっています。(大正製薬:ポカリスエット基本情報より)

比率で言えば0.12%で、吸収しやすくて内臓への負担が少ない…と考えられますが、塩分にだけ目を奪われていませんか?

確かに塩分濃度だけを考えるなら、体内への吸収に最適レベルのものでしょう。

ですが、水分と共に腸へ吸収されることを考えると、塩分以外にも目を向ける必要があります

なぜなら、腸は栄養素を選択して吸収することができないからです。

つまり、腸まで来てしまえば、それが例え毒であろうとなんだろうと、吸収の一択しかなくなるのです。

自律神経の乱れはどうして起こるのか?

鍼灸医学で考えるなら、それは糖分過剰と体内毒素過剰によるものだからです。

え?毒素?と思う方も多いかと思いますが、我々の生活は、一方向からの情報だけが開示され、他方向からの情報は自分で探さないと見つからないように操作されています。

今回はこの、スポドリの栄養面を塩分以外の方向から見ていくことで、その危険性を西洋医学、鍼灸医学の両面からお伝えしていきます。

スポドリの栄養素のほとんどは体にとって毒

みなさんはスポドリの栄養成分をご存知でしょうか?

こちらがポカリスエットとアクエリアスの成分表です。

ここで着目していただきたいのは、成分表は入っている材料の多い物から書かなくてはならない、という表示法の制限です。

何が言いたいかというと、スポドリは塩分よりも甘味料の方が多いという事実です。

糖分から考える

ではどのくらい入っているのか?というと、ポカリスエットで言えば500mlの製品の中に、なんと30gも入っている計算になります。

公益財団法人日本体育協会は「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」の中で、「1時間以上の運動をする場合には、4~8%程度の糖質を含んだものが疲労の予防だけでなく水分補給効果にも役立ちます」としています。

(引用:ポカリスエット「甘さには理由があります」)

※公式HPに糖分値の記載がないため、平均値の6%を今回の根拠として計算しています。

ちなみに、通常の会社務めの方が一日に必要とされる糖分は35g程度とのことなので、スポドリ一本で一日必要糖分を、ほぼクリアしていることになります。(参照:健康長寿ネット)

スポドリを飲んだらごはんは一切いらない…なんてことはできませんから、他に食事をすれば糖分過剰になるのは目に見えています

化学物質から考える

今度は糖分も含めて、成分を見ていきます。

いろいろ載ってますね…。
これ全部、アクエリアスの砂糖を除いて、化学物質です。

化学物質とは、

化学反応によって人工的に作られた物質を「化学物質」という。今、世界には約7万種類の化学物質があるといわれている。

引用:化学物質とは何ですか

言い方を変えれば、本来自然界にはない成分のことです。

人間は自然界で作られた自然生物ですから、化学的に精製されたものを体内に入れてよいわけがありません

そして、人間の体はどんな栄養素であれ、一種類だけ取り出された栄養素を体に吸収する仕組みをもっていないのです。

例を挙げて説明すると、健康サプリメントとして取り上げられるビタミンCですが、あれも単一栄養素を取り出して精製されたものです。

これがもし製造会社の言う通り、体に素早く吸収されてあなたの体の栄養になるというなら、ビタミンCサプリメントを飲んで一時間後のお小水は、なんであんなにまっ黄色なんでしょうか?

これは、体が不要だからさっさと排出してしまおう=毒認定しているからです。

本来、栄養素は食物の中に含まれる吸収補助要素がある栄養と一緒に体内に入ることで、効率よく吸収される仕組みなのです。

体に必要だという概念で作られた人工単一栄養素が、体にいいとは言えない理由がこれです。

そういった意味では、食塩も塩化ナトリウムの単一精製塩ですから、身体には毒です。

そのため、我が家では食塩ではなく、岩塩か天日塩を使っています。

鍼灸から見たスポドリ

それでは今度は鍼灸医学の立場から、スポドリの怖さを書いていきます。

スポドリは前述の通り、糖分と化学物質=毒素でできています。

だから当然、鍼灸医学でも体に悪いんです。

はい、おしまい。

…というわけにもいきませんね…

では、鍼灸ではスポドリはどうみられるのか?

どんな症状をきたし、どう自律神経の乱れに絡んでいるのか?

化学物質が体に悪いのは当然なので、ここからは500mlのスポドリ一本で一日分摂れてしまう、糖分に絞って簡単に説明していきたいと思います。

糖分を五行でみてみる

糖分は五行という、木・火・土・金・水という、世界の成り立ちを示す要素のうち、土に属します。

土は方角で言えば、東西南北の四方に対し、図のような位置関係で、中央を意味します。

また、土は飲食においては、飲食物を受け入れて栄養素などにする、消化器系統である脾胃(ひい)のことを言います。

そして、味で言えば、甘味もまた、土に属します

この図から分かることは、土は体の中央で食事から栄養を取り出し、心身全てに送り出す存在であり、そのエネルギー源は甘味である、と言うことです。

鍼灸でも、甘味=炭水化物は心身のエネルギー源である、という考え方なんですね。

ところがところがと~ころが、ここに落とし穴があります

鍼灸の歴史は古く、約2800年前の偉い人のお墓から出てきた本に、そのまとめ本がありました。
この時点でまとめ本があるということは、当時の情報伝達速度から考えると、お墓のできる200年前には鍼灸は存在し、編集されたと考えられています。

ということは、3000年前くらいの人間の生活に合わせて書かれていることになります。
当時の生活を考えれば、甘味=糖分はかなり貴重でしたから、そう簡単に手に入らなかったものと想像できます。

この当時なら、果物でさえ、生産される現地に行かなくてはなかなか手に入らなかったことでしょう。

さて、そうなると、甘味=糖分はどういう扱いなのでしょうか?

一般市民は当然として、貴族階級でも果物を始めとする糖分は、外交にすら使われる貴重な食材だったのです。

話が逸れました…。

日本も戦後しばらくまで、砂糖を使ったお菓子はお祝いの日などに限定されていたことを考えると、日本における糖分摂取の方法は、主に白米でした。

白米も前述の通り、かなりの糖分が摂れますし、GHQにより学校給食が全国展開されるまで、日本は一日2食の文化でした。

この時点から日本人は糖質過剰になっていきます。

さらに悪いことに、日本人の体は元々根菜などから栄養を摂るように体が作られているので、小腸が他人種よりも20%ほど長く、栄養素を多く吸収できる体になっているのです。

糖分は体を緩ませる

さて、では過剰な糖分が鍼灸ではどう心身に影響するのか?を見ていきます。

甘味=糖分は土に属し、中央を司ると前章でお伝えしました。
そして、糖分=甘味の効果は心身を緩ませる効果がある、としています。

緊張したり、疲れすぎたりすると疲労から体が硬くなってしまうので、甘いものが欲しくなるのは、脳の栄養不足以外に鍼灸の面からも説明がつきます。

緩ませる効果もあり、エネルギー源として甘味は大切な栄養素ですが、摂りすぎると…。
緩ませすぎちゃう、ってことですね!

鍼灸ではなんでも「過ぎる」ことと「足りない」ことが病気であるとするので、甘味の摂りすぎも異常をきたします。

また、心身一如の考え方から、体の健康を損なうと心の健康も損ないますし、その逆もまた真なりです。

鍼灸から見た糖分過剰による異常

今度は鍼灸から見た糖分過剰による異常がどんなものがあるのか、見ていきます。
鍼灸用語だけだとわかりにくいので、西洋医学の言葉も借りながら説明していきます。

甘味は位置的な意味で中央ですから、甘味の摂りすぎはありとあらゆる病気の元になるのです。

代表的なものをいくつかあげていきましょう。

甘味の過剰=湿気が溜まる

過剰な甘味は湿気になりますので、足に湿気として異常が現れると、むくみになります。

消化器系である脾胃は血管を支配する、とされていますので、糖分過剰で緩みすぎると血管がよわくなり、細絡(さいらく)と呼ばれる、毛細血管の破裂現象が見られるようになります。

脾が弱ると、合方である胃に熱を返します。
胃は中身が空っぽなので、たくさん熱を抱えることができ、熱が貯まると出口が口ですから、のどが渇きます。

甘味の過剰=目・血流の異常に

脾の熱をお隣にある肝に渡すと、目に熱が入り込むことで充血したり、最悪失明したりします。

肝に熱が入ると血の水分が蒸発して血流が悪くなるので、血栓ができやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などへと繋がります。

当然、高血圧コレステロール値の異常もでてきます。

あれ?こうやって考えると、糖分を摂りすぎで起こる、あの病気を思い浮かべませんか?
そう、糖尿病です。

甘味は摂りすぎると胃や心臓の熱を下げるために水分を欲しがるのですが、これを鍼灸では土克水(どこくすい)の相克関係といい、土が水からエネルギーを吸い取って活力にしている関係となります。

甘味の過剰=腎の異常へとつながる

水は腎が司っているので、水が不足すると腎の機能がうまくいかず、排泄や気血の循環・体温調整などができなくなります。

まさしく糖尿病の末期症状ですよね。(糖尿病性腎症、など)

鍼灸からみても、糖分の過剰摂取は体に良いことは一つもなさそうです。

そして自律神経の乱れへ・・・

自律神経は西洋の言い方になりますが、鍼灸で言えば心身バランス=心身一如(心と体は同一でつながっている)の状態の悪化といえます。

もう少し具体的にいえば

気と血の流れ
上下(左右)の寒熱バランス

この二つに集約されます。

鍼灸では感情は内臓に宿るとされ、五情=怒・喜・思・憂・恐がそれぞれ、五臓=肝・心・脾・肺・腎の特性に合わせて配当されています。

これらの感情はなにかしらの要因で五臓を刺激し、昂らせたり、弱らせたりします。
ストレスがかかると血流関係の肝に、悲しいことがあると呼吸器系である肺に、といった具合です。

感情が大きくぶれず平穏に暮らせれば、飲食も睡眠も問題なく過ごせますが、イライラが募ると不眠になったりします。

不眠傾向になると、過食または拒食になってしまった経験、きっとあなたもあることでしょう。

こんな風に感情と内臓の関連は密接で表裏一体=心身一如なのです。
その中でも、甘味=脾は心身状態においても中央で、心と体の両面に強く影響をもちます。

脾の司る感情は思い】であり、これはたくさんのことを考える力です。
ただし、考えたことを決定する力も、決定したことを続けさせる力もありません
前者は肝、後者は腎が担当しているからです。

あなたは自分の意志で血流を調整できないですよね。
血をどこへどのくらいの量送り込むか、なんてのも脾=思の力なのです。

体の運動を例にして言えば【腕を曲げる】という意思決定は肝の力で、これはあなたの意識です。
でも、上腕二頭筋を縮めて関節を動かして、縮めすぎないように拮抗筋である上腕三頭筋を作用させて…なんてことは考えられませんし、しません。

どのくらいのバランスで意思決定された運動に関わる多くの筋肉を動かすかは、自分でコントロールできませんから、この無意識の心と体を繋ぐ部分を自律神経がやっています。

自分で意思決定している以外の部分が【思】、ということは、思=脾の役割は現代医学で言う自律神経のことだと言えます。

血流のコントロールは肝の担当ですが、血流量は脾が担当していて、血は熱も運びますから体温調整にも一役かっています。

糖分はエネルギー=熱でもあり、余分な熱は湯気のように上に上がる性質があります。
本来の正しい状態である、体全体に均一に熱が巡るように血流量を調整しているのも脾です。

余分な糖分が脾に負担をかけ、弱ってしまうことは、全身の寒熱バランスを崩すことにもなります。
土克水によって全身の温度調節をやっている腎が、脾に力を奪われすぎてしまうことで、さらに上は熱く下は冷たい状態を引き起こします。

下半身に近い内臓の冷えは五臓=五情の弱りですから、気血の流れと寒熱バランスを悪化させ、自律神経を弱めことになります。

こうしてみれば、糖分の摂りすぎは脾の力を弱める=自律神経を弱めることと同義といっても過言ではないのです。

鍼灸師が薦める夏の正しい水分の摂り方

それでは夏はどうやって水分補給をするのがいいのでしょうか?

現代栄養学を基に考えれば、糖質は毎日200gの白米で十分です。
エネルギーは、他のおかず等の油分、炭水化物等で十分に摂取できるからです(そうなるように、いろいろな食材をとりいれるようにしましょうね)。

炎天下で1時間以上の活動をするなら、その分を足せばいいと考えましょう。

糖分を食べると、体に脂質として蓄えるためにたくさんのエネルギーを必要とします。
それが、食べ過ぎると疲れる・疲れが抜けない理由の一つですから、食べ過ぎないことが大切です。

特に、砂糖・小麦粉の入っているおやつは控えることで、逆説的に体力温存になります

大抵の方は、色の暗いTシャツに汗をかいて塩のリングができた経験があることでしょう。

それだけ体内の塩分が消費されているわけですが、実はそれほどエネルギーは消費されていません。
体温を下げるために、浸透圧の関係で汗として外にでているだけです。

脂肪を燃やそうと思ったらかなりの運動量を継続的にやらないと、体型が変わるほどは燃えないのです。

夏の汗は体温調整の為に塩を使って水分を体表に出し、水分が乾燥する時に、周囲の熱を奪っていく特性(気化作用)を利用したものです。

汗を出す浸透圧のシステムは大根に塩を塗ると、水が出てきてシワシワになりますよね。
あの力を使っているのです。

ということは、夏なら汗をかくのに運動はいりませんから、糖分補給もほとんど必要ないことになります。
だったら補充するのは、塩分だけでよいのです。

塩分だけでよいとは言いましたが、ここで忘れてはいけないのが

単一栄養素だけを抜き取った化学物質は、体にとっては毒

ということ。

塩分にこれを当てはめると、食塩は体に毒だと言うことです。

天日塩や岩塩など、食塩以外の塩分は数%程度のミネラルを含んでいます。
そのため、少し塩だけを舐めても、食塩のような舌がビリビリして焼けるような塩辛さは感じません。

逆にそのミネラル分こそ、塩分を体になじませる大切な栄養素なのです。

海水を天日で干した塩がおいしく感じるのは、人間の体内塩分濃度が海水とほぼ同じで、いろいろなミネラルも含んでいるからです。

ですから、普段の生活で水分補給をする時に最適なのは、人体の塩分濃度と同じものが最も心身への負担が少なく、かつ、吸収がよいということですね。

大人で言えば、0.9%程度が人体の塩分濃度ですので、1Lの水に9gくらいの天日塩・岩塩を溶かしたものが、体によい塩水だと言えます。(参照アルピナピュアウォーター)

子供の場合はこの半分、0.5%程度が適量といわれていますので、1Lの水に5g程度が適量と言えます。

味は正直言って、飲み慣れるまでは少しドロッと感じて、おいしくは感じないかもしれません。
飲み慣れてくると、糖分入りのスポドリはぜんぜんおいしく感じなくなってきますよ。

飲み慣れてしまえば、運動不足の時にスポドリを飲むと、体がおかしくなるのを感じられるようになります。

亀有の鍼灸師にだまされたと思って、2週間、やってみてください。

まとめ

いかがでしたか?

これまでの常識がいかに、自分の体にとって良くないものか、考えるきっかけになったのではないでしょうか。

糖分の摂りすぎは、脾胃を弱め、意思の力を弱めます
鍼灸で言う意思は無意識の部分ですから、まさに現代医学でいう自律神経です。

糖分は腎を傷め体を冷やし、自律神経を乱すことになりますから、余分な糖分を避け、塩分を適度に摂ることこそ、あなたの自律神経を整えてくれるのです。

とはいえ、体質による部分もありますから、まずは自分の体質を知り、あなたにあった栄養摂取方法こそがあなたの自律神経を整える近道です。

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楽陽堂鍼灸院・健考庵はあなたのライフメディカルパートナーです。