ご覧いただきまして、ありがとうございます。
葛飾区亀有駅南口徒歩5分、楽陽堂鍼灸院の院長山口です。
今回は不妊について、鍼灸的な所見と改善策をお伝えしていこうと思います。
最後読むと、不妊症で苦しむあなたの改善のヒントがみえてきますよ。
「子供が欲しいけど、なかなかできない…。」
鍼灸師をしていると、そんなお悩みを抱えてらっしゃる方のお話を聞くことも多くあります。
「病院で不妊治療を受けてもできなかったけど、鍼灸治療を受けたらすぐできた!」
なんて話もよく聞きますし、不妊治療専門鍼灸院も全国にあるくらいです。
それでは鍼灸では、不妊をどう捉えているのでしょうか。
鍼灸施術で不妊の悩みは改善できるのか?
ちょっと覗いてみたいと思います。
不妊症改善の為に、鍼灸からみた男女を知っておこう
鍼灸では妊娠は「陰陽の交わった結果」としています。
『男性が陽』で『女性が陰』にそれぞれ属していますが、男女の身体的特徴から見ても明らかで、男性器は外に出ているので陽で、女性器は体内にあるので陰となります。
一般的に、男は体力があるので外で動き回り、女性は家で家事を行い地域のコミュニティを作る、という面を見ても、陰陽的な特徴がみられました。
現代日本では収入面や物価の上昇から、必ずしも、女性が主婦でいられない場合もありますが、陰陽で考えると正しい状態ではない、とも言えます。
これも現代において少子化の一因だろうと、個人的には考えています。
男女の交わりは陰陽の交わりであり、男性(陽)の陽気=精子を、女性(陰)の陰気=子宮に注ぎ込む ⇒ 陰陽が交ることとなります。
この時、子宮で陰陽がきちんと混ざり合って結合すると正しい妊娠となり、胎児として育っていきます。
当然のことながら、混ざり合わなかったり、陰陽のどちらかの力が強すぎたり弱すぎたりすると、妊娠に至らないことも多々あります。
また、妊娠後も何かしらの原因で胎児の陰陽のバランスが崩れることで、堕胎してしまうこともあります。
鍼灸ではどこまで行っても、こういった陰陽が基本的な考え方です。
つまり、男女は基本的に平等な存在…、いやむしろ、陰主陽従の考え方からすると、女性の方が重要なはずなんですけれど。
女性しか子供を産めないですし、だからこそ、不妊は女性の問題であるとされてきました。
おもしろいことに、鍼灸の元祖・中国でも日本でも、そのほか多くの国々でも、(権力を持っていたのが男性のせいか)男性不妊を問われることは、ほとんどありませんでした。
勃起不全(ED)でもない限り、子供ができないのは女性のせい。
こんな考えは日本でも、ここ数十年前まで普通でした。
女性にとっては受難の日々だったことは、察するまでもありません。
現代医学や鍼灸の不妊症の定義
現代医学において不妊とは、
一定期間(1年)以上、避妊せずに
妊娠の可能性のある行為を行っているが、妊娠しない状態
としています。(日本産婦人科学会HPより)
晩婚化が問題視されている現代で、一年もしてからじゃないと不妊治療が受けられない、というのは子供が欲しい方にとって、重大な時間ロスな気もします。
個人的な意見はさておき、鍼灸では不妊症という定義はされていません。
子供は天からの授かりもの。
できる時はできるし、できない時はまだその時じゃない
というのが一般的な認識でした。
むしろ、夜の娯楽の少なかった時代には、日が暮れてからはセックスくらいしかやることがなかったので、「子供は勝手に増える」くらいの感覚だったようです。
しかも、15歳で結婚なんてザラでしたから、子だくさんが普通でした。5人以上兄弟がいるなんて、別に珍しいことではなかったようです。
それゆえに一般の人々の多くは経済的理由から、丁稚奉公に出されたり、時代によっては売買されたりしていました。
もちろん、医学的な問題で育ちきる前に死んでしまうことも…。
他の理由として、ほんの数百年程度前までは、貴族階級でもなければ、血を残すことを求められることは、ほぼありませんでしたし、貴族たちは現代のように一夫一妻制ではなく、一夫多妻制が普通でした。
そのため、貴族にとって個々の女性の不妊は大した問題ではなかった、という現実があります。
代わりに権力闘争も絶えませんでしたが…。
鍼灸から見た不妊症の原因
冒頭でお知らせした通り、鍼灸はどこまで行っても陰陽で考えます。
なので、前述の通り、妊娠を陰陽が混ざり合った状態と考え、不妊の原因を探っていきます。
陰や陽が足りない
そもそもとして、混ざり合う陰や陽が足りない、ということが原因に考えられます。
陰は物質的には子宮や卵子、血などのことで、概念としては栄養、妊娠を維持する力などと捉えてよいでしょう。
つまり陰が足りないとは
1.卵子(陰そのもの)が作られていない
2.受精しても育つための栄養が足りない
3.受精卵を子宮に維持できない
などが考えられます。
陽は物質的に精子、体温などで、概念としては動き、成長などと考えます。
陽が足りないとは
1.EDや無精子症など男性不妊
2.子宮を含めた体の冷え
3.受精卵の成長不良
などが考えられます。
寒熱の関り
陰陽の不足や飲食の不摂生で、体内の寒熱のバランスが崩れていることも、不妊の原因に挙げられます。
男女の寒熱で、不妊の主な原因をあげてみます。
男性:飲酒=熱の摂りすぎによる精巣の能力減退、仕事のストレスなどによる精力の減退、女性不信などによるED=陽萎(鍼灸では「ようい」といいます)も陽気の減退と考えます。
女性:足や腰、お腹冷えを自覚している女性は多くいます。冷えてる方は生理痛の方が多く、痛みの原因である血流障害や瘀血(おけつ)が取り除かれないこと、瘀血が発展した子宮内膜症などを発症している方が多くいます。詳しくはこちら ⇒ 生理痛について(東洋医学編)
男女共通:現代人は、生活環境の変化やエアコン、冷たい飲食物などによる冷え、エレベーターなどの発明によって、運動量が足りていません。加えて、飽食の時代になり、糖質過多になっている場合が多くみられます。
特にここ数十年で仕事が座り仕事になったこと、冷え、運動不足などにより、昔に比べて、血流が悪くなっていることが不妊につながっていることを、誰も否定できないでしょう。
文明が発展して便利になりすぎるのも、いいことばかりではないように思います。
後述しますが、食材の質の低下、糖質過剰、添加物・化学物質の摂取なども、現代ならではの問題点です。
また、現代日本で問題視されている晩婚化、初産の高齢化による影響が、不妊の一因である、という現実的な問題もあります。
女性不妊に関わる鍼灸的重要数字「7」
不妊を考えるうえで、晩婚化や初産の高齢化がなぜ、大きな問題なのか?
女性の成長について、東洋思想から見ていきます。
東洋思想では、女性の体は7の倍数の歳に大きく変化するとされ、7×7=49歳で女性としての役目を終える、としています。
14歳で初潮を迎え、「天癸(てんき)が至る」といい、出産できる体になったことを示します。
その後、徐々に子供から成熟していき、21歳で女性として完成形になります。
7×7で考えるなら、その中間である22~28歳が、出産などに最も適した、女性としてもっとも生命力のある年齢帯であると言えます。
また、28歳を超えると下り坂に入り、35歳までに出産などの女性特有の機能は徐々に減退していきます。
36歳~42歳は、女性特有の機能は大きく減退していき、子育てやそれまでの人生経験を生かした女性としての集大成の7年。
そして最後の7年である43~49歳は、経験などを次代に引き継ぐ期間、ということになります。
現代医学でも35歳を超えての出産は、染色体異常による流産の確率が跳ね上がるとされていますし、50歳前後が正しい閉経年齢とされています。(参照:高齢出産のリミット、何歳まで産めるか?)
「50歳以降は?」と思った方、とても素晴らしい気づきですね!
東洋思想では出産能力がなくなるので、50歳以降の女性は男性扱いになります。
勘違のないよう付け加えますが、昔は「人生50年」でしたから、50歳からは男女という垣根を超え、人間として尊重されていたということですね!
ちなみに、男性は8の倍数で大きな変化があるとされています。
不妊症は飲食物の問題も大きい
不妊も含め、現代人のあらゆる不調の原因の一つが、飲食物の問題です。
現代日本において、健康を損ねている大きな原因が、果糖ブドウ糖液です。
ほとんどのジュース類に入っているのですが、これもできるだけ摂らないことをおススメします。
現在の飲食物には、酸化防止剤や防腐剤、コンビニ食品に大量に使われるPH調整剤などを始めとする、食品添加物が大量に使われています。
私たちの体は飲食物によってできていますから、食品添加物の影響を多少なりとも受けることになります。
果糖ブドウ糖液がなぜ体に悪いのか?
あなたは遺伝子組み換え食品について、どう思いますか?
もし、答えが「食べたくない」なら、果糖ブドウ糖液は飲まない方がいいでしょう。
果糖ブドウ糖液はアメリカの遺伝子組み換えトウモロコシから産生されている、人口糖分だからです。
アメリカ合衆国ではコーンスターチ(トウモロコシから作られたデンプン、現在では原料には低コスト生産のため病害虫耐性を高めた遺伝子組み換えトウモロコシが主に使用される)を原料に使っているため HFCS (high-fructose corn syrup) と呼ばれている。通商産業省工業技術院(現産業技術総合研究所)は、1966年に再実施権付きの独占実施契約を、コーンスターチの5大メーカーの一であったStandard Brands Inc.(現ナビスコ)と締結している。この契約は国有特許の輸出第一号になったものである。アメリカ食品医薬品局の審査を経た後、開発された直後の1970年代に急速に受け入れられ、今では糖類の需要の半分近くを占め、世界の生産量、消費量の7割を占めており、直接ないし清涼飲料水の形で周辺国へ輸出もしている。これにはキューバ革命によって、キューバからの砂糖の輸入が途絶え価格が高騰したこと、液糖を使う素地が元々あったことが考えられる。普及に伴い、肥満の原因としてやり玉に挙げられることが多くなり、大きな論争の種となっている。
wikipedia:異性化糖より抜粋
現在、アメリカ産の果糖ブドウ糖液は日本でも、たくさん輸入され、使用されています。
日本の法律では、遺伝子組み換えトウモロコシはそのままの形=原材料としては、輸入できません。
ですが、加工してしまえば輸入可能という、現行法の抜け道を使って大量に輸入されているのです。
食品添加物の功罪
現在、厚労省によれば、「食品添加物などの人体へ悪影響は認められていない」とされています。(参照:厚労省)
とはいえ、食品添加物がふんだんに使われ始めたのが戦後であることを考えれば、データの信用度は数世代後に証明される、と考えてよいのではないでしょうか。
ある時、知人の知人が
「ここ数10年、ご遺体からの腐敗臭がするまでの時間が、どんどん伸びている」
と言っていました。
それまでは、夏なら6時間後、冬でも翌日には腐臭がしていたそうです。今はその倍くらいかかって、やっと腐臭がしてくる、と言っていました。
これって今の大量消費食に大抵入っている、「防腐剤の影響を受けているのでは?」と、疑いたくなりますよね。
食品添加物は、薬と同じく石油由来のものが多く存在しています。(参照:石油から作られた添加物)
どう考えても石油が体に入って、良い影響を与えるわけがありません。
これらが不妊の原因であるとする資料はありませんが、逆に、影響していないという資料もまた、存在しません。
野菜も農薬などがたっぷり
大量生産するために農薬・化学肥料がたくさん使われている野菜類にも、当然注意が必要です。
大量生産されたことで、戦後の食材よりも同じ100g中に含まれる栄養素が確実に減っている、と考える向きもあります。
また、品種改良により、本来のAという野菜に含まれていた栄養素自体がない、もしくは著しく減少、または変化している可能性も否定できません。
きゅうりを例に取れば、スーパーなどで手に入るまっすぐなきゅうり。
あれは品種改良されたもので、ほぼカボチャです。
本来のきゅうりは曲がっていて、種類のよりますが、粉があったり棘があったりするものが本来の姿です。
これだと売れない、流通するのが面倒、という理由で現在のきゅうりの形に品種改良されました。(参照:研究の現場から-野菜を変える-)
「昔のきゅうりはもっと曲がってて苦かった…」なんて、回想する世代は、今の50代以上でしょうか。
不妊に限らずの話になりますが、今、私たちが食べている食材にも、もっと疑問を持つ必要があると、私は考えます。
不妊症改善に普段からできること
ここまでをまとめていくと、不妊改善のために、普段のあなたにできることは以下のようになります。
1.できるだけ適度な運動を行い、体温や血流を改善すること
2.できるだけ食品添加物や農薬の少ない飲食物を摂ること
3.できるだけ早寝早起きをすること
4.毎日のルーティンをできるだけ守ること
いくら運動などをしても、日ごろのストレスを溜めていたり、体に悪いものたっぷりの食事をしていては、不妊を改善するのは困難といえます。
果糖ブドウ糖液が使われている清涼飲料水を避けたり、オーガニック野菜に変更する、などちょっとした工夫をしてみてはどうでしょうか?
これだけでも3カ月くらいすると、月経血の塊や月経痛自体が減ったりと、体の変化を感じられるでしょう。
早寝早起きは夜はできたら22時、遅くても0時までに就寝していること。朝9時までの太陽光を1時間以上浴びる(外にいなくてもOK)ことが、望ましいです。
夜22時~2時に寝る理由は、体調を整えるホルモンや、疲労回復を行う物質が最も多く産生、分泌される時間だからです。
また、朝日を浴びるとセロトニンが分泌されやすくなり、基礎体温の正常化による、冷え性の改善、精神の安定などにもつながります。
これは、毎日のルーティンが守られることで、ホルモン分泌が定期的になるので、体調も精神的にも安定するからです。
『できるだけ』が、不妊治療のキーワード
改善方法で注目してほしいのは、全ての方法に『できるだけ』を入れていることです。
不妊に限らずですが、心身の悩みが深い人ほど『何事も完璧に』こなそうとしてしまい、それが余計なストレスになってしまっているようです。
『完璧にやらないといけない』という思い込みから、自分をより精神的に追い込んでしまい、不妊・不調を増幅させている方が多くいます。
これは鍼灸的に言えば、肝の弱りを生み、疏泄(そせつ≒血流)を弱くすることで、心身全体を不調に追い込むことになります。
人間は体内のこと、全てにおいて血流を使ってホルモンや栄養素などを運んでいますから、血流が悪くなることが、妊娠したいあなたの体にとってどのような影響があるか?わかりますよね。
現に、ものすごくストレスのかかる「不妊治療を止めたら、自然妊娠した」なんて話も結構、多く聞きます。
人間は心身一如(しんしんいちにょ)と言って、心と体はお互いに影響しあう性質があり、バランスを取りあいながら生きています。
人間は元から完璧にはできていません。
誰一人として完璧な人などいないのです。
だから、支えあって生きているのです。
子供ができないのは、私が悪いから…なんて、そんなことはあり得ません。
だから、独りで悩まないで!!
鍼灸が不妊症に対してできること
不妊症に悩む多くの方に、鍼灸施術が提供できるもの。
それは鍼灸は心の悩みも、体の悩みも、両方を一緒に改善することです。
体については
1、血流改善
2、体内毒素の排出力の向上
3、ホルモンバランスを整える
4、基礎体温の改善
などがあげられます。
食品添加物などを体に入れないことも大切ですが、入ってしまった毒素を排泄することも、体の改善には欠かせません。
当然、心身一如の考え方から、体の改善は心の改善にもつながります。
鍼灸のできる心の改善については
1、辛い気持ちを吐き出すことで、気持ちが安定する
2、運動や精神活動などをやる気がでる
3、仕事や家庭の悩みなどのストレスが減らせる
などでしょう。
東洋医学的な鍼灸は、心身のバランスを整えることを一番の目的としています。
不妊治療において、精神的にも現実的にも悩むのは主に女性です。
そんな仕事も家庭も子供も…と、がんばりすぎているあなたが、少しでも陽(あか)るく楽しく笑顔で生活してもらいたい。
女性が笑顔でいられる場所は、男性にとっても居心地の良い場所なのですから。
また、当院は住居マンション6階にある、完全予約制・個室のプライベート鍼灸院ですから、お悩み解決までだれにも知られることなく通院できます。
楽陽堂鍼灸院はあなたの悩みに寄り添い、笑顔の毎日を提供する
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美容院でカットするようなつもりで、心と体の調整にいらしてくださいね。
あなたのご来院を、心からお待ちしています。