ななななな・・・なんですとぉぉぉぉぉおおお!
こんなに冷え性で寒がりの私に、冬の寒空の中、外に出ることが冷え性対策になるですって?
「そんな常識はずれなことが、まかり通ってたまるか!」
って声が聞こえてきそうなブログを書いていきます。
はい、こんにちは。
葛飾区のJR亀有駅南口から徒歩五分のところにある、東洋医学専門【楽陽堂鍼灸院】の院長山口です。
今回は多くの女性のお悩みごとの一つ、冷え性を東洋医学最大の理屈である陰陽論を元に、解説と対策を提示してみたいと思います。
あなたの冷え性、絶対に解決してみせる。じっちゃんの名にかけて(金田○少年の事件簿風)
さてそれでは、始まり始まり~♪
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結論:冷え性は冷えが足りないから起こる
冷え性は冷えが足りないから起こる?院長、ついカゼでもひいたか、頭のネジがはずれました?
頭のネジですか?外れてませんし、病院なんてここ5年で、健康診断一回しかありませんけど。どうしました?
だって、冷え性は冷えが足りないから起こっているなんて、矛盾もいいところじゃないですか。
確かに矛盾しているように感じますよね。
でも、これは【陰陽論】から見たら、至極当然のことなんです。
陰陽論?…あぁ、良く政治や戦争などを検証されると言われるやつですね?
それは陰謀論のことを言いたいのかな?違いますよ。【陰陽論(いんようろん)】です。
物事は逆の属性を持つものが等しく存在することで成り立っている、という、東洋医学の最も基礎的な理論です。
例えば、昼と夜や男女みたいなものです。
なるほど、そういうことですか!
でも、昼と夜でも、夏と冬では日の長さが違いますけど、これはどう説明するのですか?
いいところに気づきましたね。
昼と夜は一日という概念ですが、もっと大きなスパンで考えてみましょう。
一年だとするとどうですか?
あぁ、確かにそれでバランスが取れています。そっかぁ、そういうことかぁ。
…で?それがどう【冷え性改善】とつながるんですか?冷え性の人が寒いところにいたら、余計に冷えると思うんですけど???
と、現代の常識で考えるとそうですが、冷え性だからこそ、冬の冷気=陰気を体に取り込むことが、結果的に陽気を増やすことになるのです。
陰気を取り込む?陰気?陽気?
ネクラとパリピってことでしょうか???
解釈はともかく、そんな風な対極の感じです。
陰気が増えれば陽気が増える。だから体が温まって冷え性改善につながる。この理論を知れば、紫檀さんだって冷え性を改善できますよ。
知りたいですか?
はい!知りたいです!よろしくお願いします。
冷え性の私をポカポカにしてください!
わかりました。
できるだけわかりやすく解説してみますね
冷えないから温められない
実感のある方の方が多いと思いますが、体が冷えると体を温めようとするのが生理的反応です。
深夜のおしっこの後に、体がブルっと震えるのは尿で出てしまった体温をあげるための生体反応ですが、これらに代表されるように、無意識・自律神経が体温調整を行っています。
これを現代医学では恒常性(ホメオスタシス)といい、常に一定の環境に体を整えようとする力のことをいいます。
ところが、誰しも生まれたときは体温が37℃くらいですが、ずっとずっと恒常性を発揮するのであれば、みんな冷え性にならないはずじゃないですか?
ではなぜあなたは、冷え性になってしまったのでしょうか?そして、それが病院にいっても改善しないのはなぜでしょうか?
それを知るためには、ここで現代医学と東洋医学の違いを頭に入れておかないといけません。その違いとはこれです。
- 現代医学:症状を外的要因から改善する
- 東洋医学:症状を内的要因から改善する
冷え性のブログですので冷え性を例にすれば、現代医学で冷え性を改善しようとした時に行われることは、リハビリ運動や食事指導が主です。
もちろん、これも改善に向けて回復傾向に乗りやすくはなりますが、実はここには見落とされている部分があるのです。
それは、リハビリ程度の軽い運動や生姜などの食事療法では、冷気に耐える力は変わらないので、改善策をやめた途端にまた、冷え性が再発してしまう点です。
では陰陽論で考えてみると、なぜ冷え性の人ほど冬の冷気にあたった方がいいのでしょうか?
冬は冷気の最も強い季節で、その冷たい空気を取り込むということは、【陰を取り込む】ことになります。
すると、取り込んだ分だけ、あなたの陰のキャパシティーが広がります。
陰を取り込みキャパシティーを広げるということは、陰陽が同一量になるという陰陽論で考えれば、対極である陽のキャパシティーも広がるのです。
陽は陽気ですから、体を温める力です。体内にその力を多く貯えられるようになるので、結果的に冷えにくくなっていくのです。
冷凍庫に500mlの水と、3Lの水を同時に入れた場合、どちらが先に芯まで凍りますか?
言うまでもなく、前者の方が凍りやすいですよね。そして、このペットボトルという器こそが陰気なのです。
あなたの冷え性は体内の陽気の量が少ないので、冷えの外気=寒邪によって体の中が冷えやすくなっている。
でもそれは、陰気という陽気を蓄えるための器が小さいから。
これが楽陽堂鍼灸院で考える冷え性の正体です。
寒いからといって、ずっとエアコンなどの暖房が効いた部屋にいると、体が寒さに対応することを忘れてしまい、いざ寒さの中に出たときに体を温められない、という現象が起きます。
子供の時は冬でも半袖で外遊びができたのは、彼らの基礎体温が高いこともありますが、外遊びが多い分だけ寒さを吸収し、陽気がたくさん生み出せるので平気、という一面があるのです。
これらから考えられるように、体内の陽気の量を増やすために、冬は冷え性の方ほど、外の寒い空気を体に入れておくのがいいのです。
冷え症を放置すると、生命の危機につながる
なるほど…。確かに子供は風の子なんていいますけど、冬でも外で平気で遊べてました。
今の子供たちは外で遊ぶことが減ったから、よく風邪をひく、なんて聞きますね
そうですね。
実際に子供たちの基礎体温は年々下がり続けているのが、医師たちからの報告でも10年ほど前から上がっています。(参照:低体温の子どもが以前よりも増えている? など)
野球禁止、サッカー禁止、あげくには大声出さない、なんて大きな看板を出している公園も少なくないですから、運動不足にもなりますよね
そうなんです。
子供に限らずですが、それに加えて、家にいることで冷気を吸い込む機会がないから、余計に寒邪を跳ね返せない人たちが多くなっています
だからどんどん基礎体温が下がってしまって、さらに寒さに弱くなって運動しなくなって…。
でも院長、基礎体温が下がっても外に出る機会が少ないなら、別によくないですか?
いいところに気がつきましたね。
冷え性だけを見るなら外に出なければいいですが、実は基礎体温が下がることは、大げさに言わなくても生命の危険があるのです
ええ?!
体温が低いことが【生命の危機】
ですか?!
そうなんです。
だから冷え性を甘くみてはいけません
冷え性が生命の危機につながる理由
多くの医療関係書、これには東西関係なく等しく書かれていることですが、基礎体温が低下することで、実に多くに弊害が発生します。
西洋・東洋のそれぞれの医学の面から、大きな弊害を3つずつ取り上げてみたいと思います
西洋医学的基礎体温低下の3大弊害
- 代謝や免疫など
- 内臓の活動
- 脳の活動
どうでしょうか?思い当たること、多くないですか?
代謝が落ちるということは、体が温まらないということなので、細胞の活動力が低下しますから、当然細胞免疫が落ちます。
細胞免疫が落ちると、先天性以外の病気、風邪やガン、坐骨神経痛など、考えつくすべての病気にかかりやすいということです。
さらに内臓の活動を低下させます。
内臓の活動が低下するということは、食物から正しい栄養を吸収できなくなる、ということですから、肥満や極端な痩せへとつながります。
そして、脳の活動の低下ですが、これは実感のある方も多いでしょう。
仕事でよい案が浮かばない時に、ちょっとトイレやコーヒーを淹れに立つ=運動すると、良いアイデアが浮かんだ、なんてことありますよね。
これは運動によって熱が生まれ、脳が活性化されたから起こった現象の一つです。
逆説的に、冷え症によって脳にきちんとした血流が行かない=脳の活動が低下状態である、と言えます。
睡眠時を除き、体が冷えていてよいことを示す文献は、少なくとも私には見つけることはできませんでした。
東洋医学的基礎体温低下の3大弊害
- 内臓=感情の動き
- 寒暖差に弱くなる
- 気血の流れ
今度は東洋医学の側面から見ていきます。
東洋医学では内臓は感情を宿す、とされています。
五臓(肝・心・脾・肺・腎)がそれぞれ五情(怒・喜・思・憂・驚)の感情を宿していて、それらの動きは気によってもたらされます。
元気な人が感情表情豊かである理由がここにあります。感情表現が豊かな青白い肌色の人って、みたことありますか?
めちゃくちゃ元気だけど顔の表情が能面みたいな人って、私はみたことありません。
内臓がしっかり動けば、飲食物から栄養をしっかり摂れることは、東西問わず同じです。
これに加えて、東洋医学では内臓がしっかり動くと感情も豊かになる、という良い部分が付け加えられるのです。
感情が大きく動いて元気な人は、体温も高いことが多いですよね。
次に寒暖差に弱くなる部分。
これは気=陽気には、体表を守る力である衛気(えき・えいき)が流れていて、寒暖差だけでなく外邪(冷えや熱、風など)から守ってくれている、と考えられています。
これがあるおかげで、我々は急な寒暖差、例えば冬であれば外から強い暖房のかかった部屋に入ったり、そこから出たときに急な体温変化が起きずに、だんだんとその場にあった気温に対応していってくれるのです。
最後に気血の流れです。
これが一番わかりにくいかもしれませんが、東洋医学では気血の流れがすべての生命活動を担っています。
これには前述の内臓の働きや感情なども含まれており、現代医学で言えば自律神経と言い換えてもいいでしょう。
自律神経が乱れたらどうなりますか?こちらも想像しうるすべての病気の素になりますよね。
と、いうことで医学の東西を問わず、冷え性を放っておいて低体温でいることは、百害あって一利なし、のようです。
むしろ放っておくと、これからの人生で病気やけがをしやすいなど、悪化の可能性の方が高まっていきます。
冷え性を東洋医学的に改善していくには?
ここまで書いてきた中で、冷え性改善のヒントは二つです。
- 冷気と陽気は同量になる
- 片方が増えれば、もう片方も増える
冷え性の方を陰陽論で考えれば、温める力が足りない、もしくは陰気が少ないことで陽気も少ないから、寒邪に負けている、ということになります。
ということは、改善策は大きく二つに集約されます。
- 陽気を増やす
- 陰気を増やすことで陽気を増やす
陽気を増やす方法はいくつかありますが、今すぐ簡単にできる方法の一つが、乾布摩擦です。
乾布摩擦をすると衛気が活発化することは、以前のブログで書いた通りです。(ブログ:風邪予防や乾燥肌に乾布摩擦がいいって本当?鍼灸師視点から解説します♪)
続いて、ショウガなどの入った食材を摂ることと、漢方薬を試してみること。
後者については値段が結構高いですが、漢方医に相談された方がいいでしょう。
楽陽堂鍼灸院の施術と同様、漢方も同じ冷え性でもその人の体質などで処方が違います。
続いて陽気を増やすための陰気の増やし方です。
これは最初から言っている通り、しっかりと冷気を吸い込んでおくこと。
とはいえ、クーラーの冷気を吸い込んで欲しいわけではありません。
自然の気である清気(せいき)を含んでいないので、クーラーなどの人工的な冷気は、人体には悪さする寒い空気=寒邪として作用してしまうのです。
そうではなく、冬の精気に含まれる陰気を取り込むことで、正しい冷気を体にいれるのです。
冬は当然、陰気の最も強い季節ですから、体に貯えられる陰気も質のよいものが取り入れられます。
取り入れるだけですから、別に薄着をする必要はありません。外にでて、しっかりと呼吸をするだけです大丈夫!
この冬に体に貯えられた陰気は、陽気の容量を増やしてくれますから、次の夏のクーラー負けがしにくくなりますよ。
そして、気づいたら冷え性が改善されていることでしょう。
え?気が長い話だなぁ?
だって、人間の体って、いますぐ改善できることは明日すぐに悪くなるんですよ?
じっくりと来季をめざして自分自身を治療していくイメージが大切なんです。
冷え性改善の際の注意点
冷え性改善は一日にしてならず、ですね!院長
そうなんです。結局は今までの生活習慣の積み重ねが症状としてでたものが病気。
その観点で考えると、冷え性も立派な病気ですから、生活改善なくして完治はありえないんです。
わかりました!じっくり改善していきます。
…ところで、院長。改善するにもなにか注意した方がいいことって、ありますか?
もちろん、あります。
それでは今度は改善の際の注意点をお伝えします。
陽気を増やすことだけしてはダメ
鍼灸施術や漢方の処方が違うのと同様に、ここで間違えてはいけないのは、陽気を増やすことだけに着眼しないこと。
なぜなら、陽気だけを増やすことは意外と危険を孕んでいるから。
実際にいらした患者様の例をご紹介します。
実際の陽気補充による悪化例
以前あった例ですが、ある日、冷え性に悩むAさん(32歳、女性)がいらっしゃいました。
長年冷え性に悩んでおり、「今年はよくなったと思ったら、眠れないしのぼせて仕事にならない」というお悩みで来院されました。
Aさんは、これまで感じたことのなかった冷え性がその年に急に強く出たことで、改善策を探していました。
そんな折にTVで『冷え性にはショウガがよく、生姜湯を飲みなさい』と聞いたので、毎日朝昼晩と、TVで紹介された生姜湯を飲んでみました。
すると、最初の数日は体がポカポカして活動的になれたのですが、徐々に体調が悪化していきます。
そのうちに手足が熱くて眠れない、仕事中にのぼせる、すぐ疲れるなどの症状がでてしまったのです。
これはどういうことでしょうか?
ショウガは確かに陽気を養うのに有効な食材です。ですが、Aさんの場合、ショウガの陽気を取り込みすぎて、体内の陰気の量を陽気が超えてしまったのです。
この余分な熱のためにのぼせなどの症状が出てしまったのですが、本人はそうとは知らず、それでも冷え性解消に毎日、生姜湯を飲み続けました。
結果的に今度は強すぎる陽気の影響で、体力の源泉である陰気が消耗されて疲れやすくなり、仕事に差し支えるほどになりました。
楽陽堂鍼灸院で問診をしたところ、このようなお話でしたので生姜湯を適量に控えさせ、陰気を養う施術をした結果、二回目の施術後から眠れるようになり、数週間で仕事もばっちりとできるようになりました。
Aさんの場合、元々の体内の陰気が一般的な人たちより少なかったために、生姜湯が養生を通り越して毒になってしまっていたのです。
陽気をたくさん貯えるための、陰気という器が足りなかったことで起こった事例です。
こういったことは意外と多く事例があります。
東洋医学では陰主陽従といい、陰気の量を増やしてから陽気を増やすという原理原則があるのです。
人によって自分が持ち合わせている陰気の量がありますし、これも含めて体質ですので、自分にあった養生法がどんなものか、きちんと知っておくのが大切です。
そして、特に最初は自分の適量を知っておくために、健康のプロの力が必要、というわけですね。
まとめ
あなたが冷え性を改善するために、なぜ冬に外に出ることが必要なのか?
冬の陰気を取り込むと、体を温めるための陽気を増やす土台作りができる、という東洋医学の原理原則、わかっていただけたことでしょう。
そして、あなたの冷え性は自力で、一朝一夕で、根本から改善することが難しいことも、きっとお分かりいただけたと思います。
陽気だけを増やしても一時しのぎにしかなりませんし、取り過ぎすると逆効果にもなります。
前出のAさんは今も通ってくださっていますが、「今年は寒暖差があっても、外に出るのが去年ほどしんどくない」(Aさん談)そうです。
あなたも冷え性を改善して、ポカポカの一年を過ごしませんか?
まずは冷え切った体の芯の部分を改善し、陰気を受けいれやすい体を作るため、楽陽堂鍼灸院をご利用ください。
あなたの陽るい笑顔の毎日のために、全力でお話をお伺いし、全力で施術させていただきます。
楽陽堂鍼灸院はあなたの一生の、ライフメディカルパートナーです。