ブログへのご来訪、心より感謝感謝でございます。
JR亀有駅南口徒歩5分、【東洋医学専門】楽陽堂鍼灸院の院長、山口です。
週末ともなると疲労困憊で土日の休みは寝てばかり。楽しいことをする前に、疲労回復で手一杯…。
なんて方は、お体が中庸ではありません。
え?中庸ってなにか?ここをキープできていれば、体も心も安定して軽く、奥さん/旦那さんの小言や文句も受け流し、らく~な気持ちで週末を過ごせます。(だから中庸ってなによ?)
私(山口)としては、あなたがそうであってほしいので、鍼灸院をやっているのですが、なかなか鍼灸にそういう効果があるのは知られていませんよね。
そこで、このブログでは鍼灸医学で重要な、【中庸の概念】について、お話をしていきたいと思います。
※このブログは、公式LINE&公式アプリご登録メンバーの方にお送りしたものを再編集したものです。
結論:中庸こそが健康の秘訣
中庸とは、どちらにも偏りがないことを言います。(詳しくは次章で)
これは寒熱、上下、左右、表裏などなど、空間的なこともありますが、心身のバランスも中庸に含まれます。
東洋医学で言えば、実は心と体のバランスも偏ると病気になるのです。
例えば、体の鬱(うつ)症状の一つである肩こりや腰痛。
これが体だけで現れていればいいのですが、体と心は表裏一体なのでそのまま放置してしまうと、心の鬱へと深化していきます。
もちろん逆もあるので東洋医学では、心と体は一体で影響しあっている=心身一如という言葉があるのです。
どちらが弱ってもお互いに影響を及ぼすので、心身バランスが崩れて病気になる。
だからこそこ「中庸がどうして必要なのか?」という問いに対する答えは
心身のバランスを整えって中庸でいることで、一人一人が穏やかで笑顔でいられる世の中になる
なのです。
そんなバランスの取れた中庸な人たちが溢れる世界になったら、絶対にハッピーじゃないですか?
これが楽陽堂が目指す世界で、そのための手段の一つが、当院の鍼灸であり、美容鍼であり、美身ストレッチなのです。
【中庸は世界を救う】
一度体感しに来ませんか?
ところで中庸って何て読むの?
さて、まずは用語解説ですが、あまり使われない漢字の…中庸って読めますか?
これは【ちゅうよう】と読みまして、中国の儒教の創始者、孔子の教えをまとめた「論語」にでてくる言葉で
「偏りがなく中立的であること」
引用:DOMANI
を意味します。
鍼灸医学に限らずに使われていることもある(最近は漫画やアニメが多いですね)ので、聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
似た言葉で【中道=ちゅうどう】がありますが、ほとんど同じ意味で使われていて、こちらは仏教用語です。
古代ギリシアでは【メソテース】という言葉で、アリストテレスが説明しています。
紀元前から概念として存在するこの中庸は、哲学的・精神的なものだけでなく、世界のあり方や存在自体に当てはめて考えることができます。
中庸の意味を掘り下げる
中庸【ちゅうよう】の意味を少し、掘り下げていきたいと思います。
中庸は【偏りがなく中立的であること】という、儒教(孔子)の言葉である、と説明しました。
中立的である、ということは確かにバランスがとれていて、争いも起きない状態ですが、世界中のどこででも同じ条件である、ということではありません。
例えば…
男女で言えば、子孫繁栄の観点からその比率が限りなく5:5に近い状態にであることが望ましいですよね。
学校でもクラス単位では男女数の多少の差はあっても、学校単位や地域全体で3:7になったりすることはまずありません。
が、戦争などで男性ばかりが死んでしまえば、男女比は正しいバランス=中庸ではなくなります。
地域という単位で言えば、北極と赤道直下では、その中庸が違います。
北極にとっては気温がマイナス数十℃であることが、中庸になります。
逆に、赤道直下は気温が高い状態が中庸になります。
もし赤道直下が北極ばりに寒かったら、世界全体が凍り付きます。
ところがこのように、地域によって中庸の条件が違っても、地球全体で考えれば冷えと熱でバランスが取れていて、これこそが中庸といえます。
ゆえに中庸は
「その場・状況において、それぞれにバランスがいいこと」
と考えられます。
では、鍼灸医学において、中庸がどんな関りがあって、どんな風に運用されているのでしょうか?
鍼灸医学で考える中庸
「楽陽堂鍼灸院って、どうやって病気を良くしているの?」
結構な割合で聞かれます。
特に楽陽堂鍼灸院の場合は、腰が痛くても腰には刺さず、肩コリでも肩には刺さない。
でも、症状は改善していくことを体感された方も多くいらっしゃいます。
なぜ改善するのか?と言えば【心身が中庸に傾くから】です。
鍼灸医学でいう病気とは、陰陽とそれに組する五行(木・火・土・金・水)のバランスが崩れた状態です。
ということは、鍼灸施術ではこの五行のバランスを整えることで、心身に起こっている病気が良くなるように仕向けているのです。
心身の虚(きょ)=足りない状態と、実(じつ)=多すぎる状態による、心身の様々な要素のバランスの崩壊=中庸から外れた状態=病気と言えます。
ただし、先ほどの地域のところの説明のように、人それぞれに体力や精神力の強さが違うので、どの程度外れると病気になるか、の範囲も人それぞれです。
この前提があるので、数値で100からは病気、99までは健康とする病院では原因不明でも、【あなたにとっては病気】であることも多いのです。
夏の校庭で校長先生の話を聞いていて、倒れる子もいれば全然平気な子もいましたよね。
また、同じ倒れる子の中でも、原因は千差万別。 この原因を探って解析してその人に合った施術を行う。 これが楽陽堂鍼灸院の鍼灸施術です。
当院の鍼灸施術の醍醐味である【中庸】ですが、実際にどうなったら「中庸に寄った」と言えるのでしょうか?
鍼灸施術で中庸に寄ったら?
前章で書いたとおり、人によって備えている強さが違います。
実際にはその人のもつ陰陽五行(木・火・土・金・水)のバランス、と言うことになるのですが、いろいろな条件でいろいろな要素が、そのバランスを失います。
実は鍼灸医学では理屈上、おぎゃ~と生まれた瞬間から、死ぬまでの間にいる誰一人として100%健康な人はいないんです。
これは一般にはない面白い考え方ですが、高齢者はわかるけど、なんで赤ちゃんも?って思いますよね。
赤ちゃんは成長するために、腎に蓄えられている精を使いまくるのです。
精は両親からもらった精と、母乳を飲むことで消化器である脾胃(ひい)から蓄えられるのですが、当然飲んだそばから消費されます。
なので赤ちゃんはいつも腎虚と呼ばれる状態でもあるのです。
極論になりますが、人は呼吸などの最低減必要な生命活動だけでも、エネルギーを消費している=病気である、というのが鍼灸医学の基本的な概念です。
もちろん、気力・体力が病気を発症させないでいられる範囲があるので、症状として現れるかは、また別問題です。
例を挙げると、真夏に外に一時間いて、全然平気な人でも、汗をかき、熱を処理しているので病気ではないということにはなりません。
この人が、後で冷房の効いた電車に乗ったら風邪を引いたなんてことになるのは、体内エネルギーが消費され、冷房の冷気を押し返せない状態までエネルギーを消費したからです。
この例で言えば、暑い中でも全然平気だけど汗をかいた状態を「未病」と言います。
未病のうちに鍼灸を受けておくことで、消費した体力や気力が補充されます。
これによってそのあとの電車に乗っても、冷房で風邪をひかない状態になるわけです。
これを未病治(みびょうち)と言いまして、この例で言えばエネルギー不足のない状態が中庸である、言えます。
中庸は鍼灸施術では「平」という
こんなことから、中庸は実際の鍼灸医術において中庸とは、目指すべき状態であり、それがなされれば病気の状態から脱する、というのがこれまでの解説です。
実際の施術の際の名前で呼ぶと、『平』となります。
読み方はそのまま「へい」です。 平はみなさんがご存知の通り、平らなことを示しますが、鍼灸においては可もなく不可もない状態です。
特に脈診という診断を行う際に、評価に必要なことがこの平です。
楽陽堂鍼灸院の場合、経絡治療を用いていますので、六部定位脈診(ろくぶじょういみゃくしん)と呼ばれる脈診法を用いて、六臓六腑のバランスを診ています。
全12の臓腑それぞれが、その日、その時によって強弱があり、これら一つ一つが虚(きょ=弱い)していたり、実(じつ=強い)を示したりして、全体のバランスを崩した状態が病気。
これらの状態を平に寄せるのが、楽陽堂鍼灸院の鍼灸術というわけです。
ところで…、治療において、あなたの施術評価は痛みなどの減少、動作の改善などです。
でも動作の確認はできても、痛みは術者には感じられないし、当然、見えません。
そうなると、西洋的な例えば接骨院などでは患者様と、痛みの改善について共有ができませんよね。
あくまであなたの評価を(術者に忖度しながら)伝えるのみです。
ですが、脈診はあなたの痛みの状態をある程度、脈で診られるので評価の共有ができます。
脈は浮いているか?沈んでいるか?虚実はどうか? それらを足し引きして、最後に脈がまん丸で浮き沈みのない状態=平の脈にできるだけ寄せる。
これが楽陽堂鍼灸院の鍼灸術の基本で、治療目標になります。
六部定位脈診によって評価し、これを平(中庸)に寄せるのが施術だとお伝えしましたが、一回で平になることもあれば、そうならないこともあります。
症状やあなたの心身状態によりますが、一回で治る症状は、翌日などに再発されることが多くあります。
逆に数度の施術で治る方向へと動けば、それは徐々にですが、完治に向けて動いていきます。
これはあなたの体力・気力や病の軽重、症状期間の長短によっても、治り方が違うからです。
中庸に向けて施術を重ね、中庸に近くなったらそれを安定させるのですが、それまで何回かかるか?を予測するにも脈診は有効な手段です。
一回の施術でどの程度12の臓腑の虚実とバランスが整うか?
初回で整った脈が二回目にいらしたときに、また戻っているのか?良い状態に近いところでキープできているのか?
そんな感じで予測が立ちます。
極端な変化はすぐに元の病状へとつながることもあり、こういった揺り戻しが起こることも多々あります。
今の症状の軽減はもちろんですが、軽減させていきつつ、それが戻らない状態に持っていく。
そのためには体質改善が必要で最低3カ月かかる、と初回問診でご説明させていただいている、というわけですね。
体質改善にはあなたの協力は必須ですから、中庸をキープさせるにはあなたの協力も必要、というわけです。
中庸をキープするヒント
中庸でいることが病気を治すため、病気にならないために必要なことである、とこれまで解説してきました。
今度は良い状態をキープするヒントを、書いていきたいと思います。
良い状態をキープするには三つのことを常に意識して欲しいと思います。
- 炭水化物を控える
- 運動する
- 早く寝る
この三つをそれぞれ解説していきますね。
炭水化物を控える
主食と呼ばれるものはそのほとんどが、炭水化物=糖分です。
以前の日本人の生活では白米はぜいたく品でしたし、パン・麺など小麦を食べる習慣はありませんでした。
さらに言えば、砂糖は超々貴重品で、戦前はもちろん、戦後しばらくまでは一般人が口にすることはめったにありませんでした。
これらが安価に、簡単に、24時間手に入るようなったので、現代人は昔に比べて糖質過多なんですね。
運動
続いて運動です。
定義としては【心拍数100以上を20分以上キープする】のが運動とされています。
この習慣を最低一日おきに行うこと。
筋トレなら、翌日軽い筋肉痛になる程度が正しい運動量です。
理想は朝やると、一日の活動のためのスイッチにもなってくれます。
睡眠
続いて睡眠。 ゴールデンタイムをご存知でしょうか?
ゴールデンタイムとは22~2時のことを言います。
この4時間が疲労回復やホルモンの調整を最も強く行う時間なのです。
ですから、この4時間にどれだけ質の良い睡眠が摂れるか?が、あなたの心身の中庸に重要なのです。
中庸の指標
中庸でいるための3つのヒントを改めてまとめます。
1.食事
2.運動
3.睡眠
この3つを見直せば、あなたの心身の不調は必ずよい状態へと導かれます。
私の治療経験から断言できますが、外的要因を除いて、肩こり、腰痛、更年期障害などなど、ほぼすべての症状はこの3つを整えれば改善します。
3つのバランスが取れた生活をしていれば、中庸に寄った生活ができるので、大きな病気になりにくいのですが、そんな生活をしてきた人たちがいます。
その人たちはずばり・・・【農民】です。
彼らは朝陽と共に起き、質素な朝ご飯(と言っても粟やひえの入った汁など)を食べ、農業(運動)を行い、質素な昼・夕ご飯を食べ、日が暮れたら早めに寝ていました。
食事を現代風に言えば、朝は味噌汁、昼は雑炊、夜はけんちん汁、のようなイメージです。
なので、現代風に考えれば、実質1食ですね。
糖分は根菜などで摂っていたので、効率よく吸収できるように日本人の腸が長くなった、というのが定説です。
余談ですが、根菜に含まれる糖分は意外と高く、じゃがいも(GI値90)はパン(同95)と大した差はありません。
夜は月と星の明かりくらいしかありませんし、騒ぐ人もいないので、真っ暗でほぼ無音という最高の睡眠環境。
住民の多くが農民だったのはだれしもが知るところ。
ということは、われわれ日本人の体は農民の暮らしに合わせた体になっている、と考えるのが自然な流れです。
ということは、あなたが体に不調を感じて、それを治していきたい、と本気で思うなら、農民のような暮らしをするのが一番である、ということです。
そこには24時間ついている街灯も、脳を強く刺激するスマホやPCも、化学物質にまみれた食材もありません。
完璧には当然むりですが、できるだけ農民の暮らしに近づけることが、あなたの体を正しい状態へと導くのは間違いないでしょう。
現に、ぜいたく病といわれる糖尿病や通風などの主原因は、過剰な糖分と運動不足です。
ちなみに糖尿病は治らない病気と言われますが、透析が必要な中期の後半まで行っていなければ、決してそんなことはありません。
3つの要素をきちんと守って生活したことで、インスリン注射のいらない体になった方は多数います。
心身のバランス=自律神経を整える=中庸
長々と中庸についてお話してきましたが、鍼灸は治すのは体だけでいい、なぁんて思っていません。
鍼灸医学では五臓(肝・心・脾・肺・腎)にそれぞれ感情が宿るとされていて、それぞれが弱ったり強すぎたりすると、身体だけでなく、感情にも異常を起こすとされています。
五情と言って、怒・喜・思・憂・恐の5つの感情のことです。
例を挙げると… イライラは怒の感情なので肝が担当していて、肝は血を担当するので怒ると血が上に上がって顔が赤くなります。
脅かされると大げさにびっくり人、いますよね。
これは腎が下でどっしり落ち着いている性質があるからで、弱ると急な変化に対応できず恐れやすくなる、というわけです。
こんな風に感情が体と密接な関係がある同一体である、ということを示したのが 心身一如(しんしんいちにょ) という言葉です。
当院の鍼灸施術が、心身のバランス=自律神経を整えるのが得意である、というのはここから来ています。
先ほどの章で
【内臓には感情が宿る】
とお話させていただきました。
病院に行って、いろいろな症状が出ていて、山ほどの検査を重ねて重ねて重ねまくったにも関わらず、原因不明なことがありますよね。
そしてそんな時、医者が言う言葉の定番が
「ストレスからくる心因性ですね」
です。
つまり、症状はでてるけど、現代の西洋医学では治療不能である、という宣告です。
体じゃないから、心が原因だよ。だから自分で治すしかないよ。
ってことです
じゃぁどうしてそうなるんだ?の答えのひとつが、内臓には感情が宿る、なわけです。
ストレスは血流を司る肝が対応していて、留まると怒りという感情を昂らせ、頭に血を集めるので全身的な血流が悪くなります。
気持ちが落ち込むと、消化器系である脾が弱り、過食したり拒食になったりするのも感情のなせる業ですよね。
ということは、肝を例にとると、ストレスが溜まるとイライラする、というのを逆説的に治療に応用すると、肝の高ぶりを整えればイライラが収まり、血流がよくなり、病院では原因不明のもろもろの症状が治まる、という理屈になりますよね。
他の心・脾・肺・腎にもそれがあるので、これら五臓の陰陽バランスを整えることで、心のバランスを整えること。
これが体という陽をコントロールすることで、心という陰の部分をコントロールすることになります。
以前書いた、心身一如(しんしんいちにょ)がこれになるのですが、内臓や体だけでなく、そのつながりの部分にも陰陽があります。
これが乱れると、例えば心神喪失状態になり、自分は覚えてないけど、体が勝手になにかしている状態になるわけです。
ここでも中庸がどうして必要なのか?
という問いに対する答えになっているのです。
五臓六腑とその陰陽を整える=心身バランスを中庸に寄せる
そうすることで、一人一人が穏やかで笑顔でいられる世の中になる。
そんな人たちが溢れる世界になったら、絶対にハッピーじゃないですか?
これが楽陽堂が目指す世界で、そのために日々全力であなたのお話しをたっぷりと伺い、舌を診て、体表観察をして、脈を診てあなた自身も気づいていなかった原因から、改善していく。
改善できたら今度は、その状態が崩れないようにメンテナンスさせていただく。
楽陽堂鍼灸院はあなたのこれからの未来の健康パートナーでありたいのです。
これからもより平和な世界を、地元葛飾を、あなたの笑顔を守るお手伝いを、全力でさせていただきます。