ストレスが不妊・生理痛に与える影響を鍼灸の立場から考えてみる

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ご覧いただきありがとうございます。
東洋医学専門鍼灸院「楽陽堂」の山口です。

このブログを見てくださっているあなたは、不妊や生理痛でお困りの方なのでしょう
しかも、病院に行っても薬を飲んでも自己流で改善を試みたけど、いまいち結果がよくわからない方も多そうです。

今回は鍼灸師の立場から、ストレスと不妊・生理痛の関連を説明していこうと思います。
最後まで読むと、あなたのツライ症状の改善のヒントに出会えますので、お付き合いくださいね!

不妊・生理痛の定義を鍼灸古典から考える

それでは鍼灸師から見ると、不妊や生理痛ってどんなことなのでしょうか?
そもそも鍼灸だと、どうなった状態のことをいうのでしょうか?

鍼灸はその考え方や技術を古典を基にしていますので、まずは古典的には不妊や生理痛がどうだったか?を見ていきたいと思います。

まずは不妊から見ていきたいと思います。

不妊は定義されていない

鍼灸はその基本的な治療法や考え方を、黄帝内経を始めとする古典を現代語に解釈することで成立させています。

ということは、不妊も古典に盛り込まれているのでは?
と思いますが、実は少なくとも不妊という言葉もでてこないし、定義もされていません

時代背景を考えれば、それも当然のことでしょう。
なにせ3000年近く前のことですから、余程の大きな街でもなければ日が暮れたら辺りは真っ暗。
各家庭の夕食の薪の火くらいしか明かりがなかったわけです。

もちろん夜の娯楽もないですし、お酒は高級品…。
となれば、夜はセックスくらいしかやることがありませんでした

また、当時は15歳で成人でしたので、16歳で出産が通常だったのです。
出産してまた生理が来るようになったらすぐに妊娠…のループですから、子だくさんのところが多くみられました。

今のように清潔ではないですし、貧しい暮らしで病気になっても医者には診せられない時代です。
子供が成人まで生き残る確率は、今からは想像もできないほど低かったことでしょう。

庶民には血を残すという概念がなかったので、例え子供ができなくても引き継ぐ財産などなかった時代。いなければいないで、別に問題ない、と言ったところでしょう。

位の高い貴族は一夫多妻制でしたので、正妻に子供ができなくても大丈夫な環境でした。
それゆえに不妊は一般的には病気として見られていなかった、という時代背景あったと推察されます。

生理痛も定義されていない

今度は生理痛に話を移していこうと思います。

結論から言えば、古典的には生理痛は定義されていません
なぜなら、生理痛を毎月起こす方はほとんどいなかったからです。

それはなぜなのか?
先ほどの不妊の定義のところで、16歳から妊娠・出産を繰り返す、とお伝えしましたが、これを延々と繰り返していたので、生理自体の回数が少なったのです。

初産の平均年齢が30歳になったことなど人間の歴史上なく、日本では2011年以降のことだという統計データが出ています。(参照:nippon.com)

初潮は天癸(てんき)と呼ばれ、大人になった証として見られ、鍼灸古典のバイブル【黄帝内経】では、女性の天癸は14歳が正常とされています。

現在は10歳程度で来る子もいますので、当時よりも栄養状態が良いことなどから、早熟なことは間違いありません。

14歳で天癸を迎え、15歳で結婚、すぐに妊娠・出産を繰り返していくので、現代女性に比べ、1/3以下の回数しか生理を経験しません。

これらの事情から、生理痛自体がほぼ一般的には認識されていなかったので、病として定義されていない、ということになります。

不妊や生理痛を現代の鍼灸から考える

大昔の婦人科疾患事情が分かったところで、今度は現代の鍼灸ではどう見ているか?を考えていきたいと思います。
現代の鍼灸といっても、西洋医学ではなく、あくまで東洋医学としての鍼灸の立場から考察していきます。

不妊症を鍼灸で考える

不妊症を現代医学で定義すると
一定期間(1年)以上、避妊せずに妊娠の可能性のある行為を行っているが、妊娠しない状態
としています。日本産婦人科学会HPより)

妊娠は鍼灸の立場から言えば、子宮で陰(卵子)と陽(精子)が混ざり合った状態のことを言います。

陽が陰に飛び込むことで妊娠に至りますが、陰である子宮や卵子に異常があれば、陰陽が結合しなかったり、結合した状態を保持できなかったりするので、妊娠しないことになります。

もちろん、陽である精子の力が足りなかったり、そもそもの数が少ないと、陰に至る可能性が低くなるので、妊娠しません。

西洋医学同様、妊娠には男女両方に因果関係があることは、鍼灸でも変わりはありません

陰が弱いということは、母体である女性自体が弱っていること、子宮が弱っていることのほかに、子宮の性質として血瘀(けつお=血だまり)状態であることから、血自体の問題もでてきます。

西洋医学では血自体の質(成分、温度など)と量で考ることが多いですが、鍼灸で重要な要素としては血流も見逃せません

いくら質や量が適切であっても、流れが弱かったり強すぎたりすれば、体を正しい状態に維持できないからです。

質・量・流れ、この三つの要素が絡み合って、受胎しない状態なっているのが、鍼灸における女性の不妊状態ということになります。

生理痛を鍼灸で考える

続いて生理痛を鍼灸で考えてみましょう。

生理痛は生理の時に起こる痛み症状ですが、鍼灸においては生理痛がないのが普通なのです。
だから古典では病気として定義されていなかった、と先ほどの章で説明しました。

生理は子宮にフォーカスすれば、血瘀(正常な血だまり)を作りますが、その性質上、血中の毒素(化学物質や余計な糖質・脂質など)を蓄えてしまいます。
これらが月経血の塊などになり、痛みの一因となっています

月経血の塊は体内の毒素の多さを示しています。
小便、大便、汗の三種類の排泄で解毒が間に合わない分を、月経血でも排出するのですが、ずっと体内に溜められていたものが塊としてでてきます

子供は生理的血瘀というのが鍼灸の概念ですが、出産は出血を伴いますので、言わば毒素抜きの役割もしています。
現代でも出産後に生理痛がなくなった、という方がいるのはこのためです。

不妊や生理痛を鍼灸で改善できるのか?

不妊や生理痛を改善することはできるのか?と、問われれば、確かに多少よくなるでしょう。
でも、鍼灸の力だけで妊娠力があがる、生理痛がなくなるなんてことはないです。

それでは鍼灸が不妊や生理痛を始めとした、婦人科疾患に有効とされるのはなぜなのか?
鍼灸は何のためにあるのか?という問いに対する答えを書いていこうと思います。

そもそもとして、鍼灸は誤解を恐れず書くなら
症状を改善する技術ではない
のです。

症状を改善するのではなく、
あたなの心身をしい状態に導く技術である
のです。

東洋医学的な鍼灸は、症状そのものを抑えたり、一時的にごまかしたりする現代西洋医学とは、考え方が180度違います。

症状にフォーカスするのではなく、不調を起こしてしまうまでの過程にフォーカスし、気血の流れを正しい状態に戻してあげれば、あなた自身があなたのことを良くしてくれる、というのが施術の基礎概念です。

西洋医学風に言えば、自律神経を整えることで、免疫系をしっかりと機能させることで、あなたの心身は勝手に良くなっていくのです。

鍼灸はこの状態になるように、気血バランスを一時的に整えることを行っているのです。
気血のバランスを整えると、心と体のバランスも整います

心と体は同等でつながっていることを、鍼灸では心身一如(しんしんいちにょ)と言うのですが、各臓腑は感情とも関わりが強いので、鍼灸の刺激で気血を整える=心も整う、ということなんですね!

当然のこととして気持ちが楽になれば、いろいろな不調も改善していきますから、不妊も生理痛も改善傾向に傾く、ということになります。

ストレス解消なぜ不妊・生理痛改善に有効なのか?

前章で述べた通り、不妊も生理痛もあくまで結果であり、鍼灸から見ればその過程を知った上で改善策を打つことになります。

また、鍼灸は治すのではなく、あなたの心身を一時的に改善傾向に傾かせる術であることは、わかっていただけたかと思います。

では一時的(施術時間中)以外は、だれがあなたの心身を改善させるのでしょうか?

そうですね。あなた自身です。
あなたがあなたの主治医なのです。

ではなぜ、不妊症や生理痛になるのか?と言えば、男女関係なく現代人はとかくストレスにさらされていることが、大きな原因の一つです。

ストレスは鍼灸では「怒」の感情として分類されます。
怒を司る臓は肝であり、肝は疏泄(そせつ)と呼ばれる血流に似た力をコントロールしています。

肝は血自体を担当していますから、肝が弱ると血自体の栄養する力だったり、解毒作用も弱体化することになります。

ゆえに、ストレスがかかると血流が悪くなり、毒素の解毒・排出力も低下する、という公式が成り立ちます。

疏泄を気血の血と動きと捉えると、疏泄が悪くなることで相方の気の流れも弱くなります。
気血の流れは疏泄と気がコンビを組んで調整しているので、片方だけが悪くなるというのは理論上ありえません。

気の流れが弱くなると何か起こるか?
気は熱であり行動力ですから、気の流れが弱くなれば体が冷え、思考を鈍らせたり悪い方向へと向かわせます

ご存知の方も多いでしょうが、冷えは不妊にも生理痛にも天敵です。

冷えは子宮の弾力性を奪いますし、血自体が冷えることで、免疫や解毒などもろもろの処理が遅くなったりします。
解毒力が低くなるので、ますます正しい状態から遠のくこととなります。

これらのことから、ストレスをため込みすぎると、それ自体が毒素になるので、不妊の原因になったり、月経血の塊や生理痛としてでてしまうわけです。

ですから、不妊や生理痛改善にはストレスの解消やうまく付き合う方法を見つけることが大切、となります。

とはいっても、夢や目標もストレスの一部ですから、適度なストレスは必要です。
完全ノーストレスは、心身を緩ませる方向に進ませますので、子宮が血を保持する能力を奪うことにもなるからです。

なんでも適度が一番、ってことですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ストレスを溜めるとロクなことにならない、というのがお分かりいただけたでしょうか?
今のあなたはストレスを抱えすぎて体がカチカチ、思考も下向き…なんて、なってませんか?

ストレスが心身を固めてしまうので、不妊治療を止めたらすぐに妊娠した、なんてよく聞く話は、これが起因しているのです。

改善策のところで述べた通り、鍼灸には気血の流れを調整させることができます。
鍼灸を受ける=あなたが無意識・意識的に抱えているストレスを、緩和させることができる、ということでもあります。

生理痛も鍼灸を受けることで、子宮の状態を正しい状態に戻しつつ、さまざまなストレスを抜いていくことで必ずよい変化を見せます。

一発で効果がでることはありますが、これは例外で、いきなり大きな変化がでることは珍しいことです。
急な変化は、心身にとってストレスでしかありませんから、ある程度の時間をかけながら、うまくバランスを取っていほうが、将来的にも継続して良い状態をキープできることでしょう。

不妊や生理痛にお悩みなら、今こそ改善してみませんか?

楽陽堂鍼灸院はあなたのライフメディカルパートナーです。

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≪執筆者プロフィール≫

山口 三紀夫(ヤマグチ ミキオ)
東洋医学専門鍼灸院「楽陽堂鍼灸院」院長

「鍼灸界の東大」と呼ばれる『東洋鍼灸専門学校』を卒業後、鍉鍼術や経絡治療鍼灸術の先生に教えを受けながら経験を積み、2021年に独立のため葛飾区亀有で「楽陽堂鍼灸院」を開業
子育て支援を目的に鍼灸師が集まって活動する東京スキンタッチ会で講師も務める

≪所有資格≫
・はり師 厚労 179580号
・きゅう師 厚労 179342号
・あん摩マッサージ指圧師 厚労 144191号
・TST(Takahiro Style Technique)鍉鍼術マスター
・機能訓練指導員

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