ストレスが不妊・生理痛に与える影響を鍼灸医学の立場から考えてみる

不妊

ご覧いただきありがとうございます。

葛飾区にあるJR亀有駅徒歩5分、【東洋医学専門】楽陽堂鍼灸院の山口です。

このブログを見てくださっているあなたは、不妊や生理痛でお困りの方なのでしょう

しかも、病院に行っても薬を飲んでも自己流で改善を試みても、いまいち結果がよくわからない方も多そうです。

今回は鍼灸師の立場から、ストレスと不妊・生理痛の関連を説明していこうと思います。

最後まで読むと、あなたのツライ症状の改善のヒントに出会えますので、お付き合いくださいね!

結論:不妊や生理痛を”鍼灸だけ”で改善するのは無理がある

不妊や生理痛を鍼灸で改善することはできるのか?と、問われれば、鍼灸の力だけで妊娠力があがる、生理痛がなくなるなんてことはない、というのが答えです。

それでは鍼灸を含む東洋医学が不妊や生理痛を始めとした、婦人科疾患に有効とされるのはなぜなのか?

そもそもとして、東洋医学は誤解を恐れず書くなら
症状を改善する技術ではない
のです。

症状を改善するのではなく、気血・陰陽・寒熱のバランスを整えることで
あたなの心身を本来のあるべき正しい状態に導く技術
であるからです。

東洋医学的な鍼灸は、症状そのものを一時的に抑えたり、ごまかしたりする現代西洋医学とは、考え方が180度違います。

症状にフォーカスするのではなく、不調を起こしてしまうまでの過程にフォーカスし、気血の流れを正しい状態に戻してあげれば、あなた自身があなたのことを良くしてくれる、というのが施術の基礎概念です。

西洋医学風に言えば、自律神経を整え、免疫系をしっかりと機能させることで、あなたの心身は自動的に良くなっていくのです。

もうちょっと具体的には、食事や睡眠などの時に優位に働く副交感神経を優位にする力が鍼灸にあります。

副交感神経が優位になると、体を回復させたり、栄養を体にいきわたらせたり、免疫系がしっかり働いたりするので、基礎体温が適度に上昇することとなります。

鍼灸はこの状態になるように、気血バランスを一時的に整えることを行っているのです。

気血のバランスを整えると、心と体のバランスも整います

ですが、病が深く強いうちは良好状態の時間がどうしても短いので、楽陽堂鍼灸院では、初診のみなさまに3カ月改善プランをオススメしているのです。

心と体は同等でつながっていることを、東洋医学では心身一如(しんしんいちにょ)と言うのですが、各臓腑は感情を宿していると考えるので、鍼灸施術の刺激で臓腑の働きを整える=心も整う、ということなんですね!

当然のこととして気持ちが楽になれば、いろいろな不調も改善していきますから、不妊も生理痛も改善傾向に傾く、ということになります。

今回はいろいろある要因の中から、大きな要因の一つであるストレスに絞って書いていきます。

食事:小麦粉についてはコチラをお読みください。

不妊・生理痛の定義を鍼灸古典から考える

それでは鍼灸師から見ると、不妊や生理痛ってどんなことなのでしょうか?

そもそも東洋医学だと、どうなった状態のことをいうのでしょうか?

鍼灸はその考え方や技術を古典を基にしていますので、まずは古典的には不妊や生理痛がどうだったか?を見ていきたいと思います。

まずは不妊から見ていきたいと思います。

古典では不妊は定義されていない

鍼灸はその基本的な治療法や考え方を、黄帝内経を始めとする古典を現代語に解釈することで成立させています。

ということは、不妊も古典に盛り込まれているのでは?
と思いますが、実は少なくとも不妊という言葉もでてこないし、定義もされていません

時代背景を考えれば、それも当然のことでしょう。

なにせ3000年近く前のことですから、余程の大きな街でもなければ日が暮れたら辺りは真っ暗。

各家庭の夕食の薪の火くらいしか明かりがなかったわけです。

もちろん夜の娯楽もないですし、お酒は高級品…。となれば、夜はセックスくらいしかやることがありませんでした

また、当時は15歳で成人でしたので、16歳で出産が通常だったのです。

東洋医学では正常な所長は14歳とされていたことに加え、出産してまた生理が来るようになったらすぐに妊娠…のループですから、子だくさんのところが多くみられました。

今のように清潔ではないですし、貧しい暮らしで病気になっても医者には診せられない時代です。

子供が成人まで生き残る確率は、今からは想像もできないほど低かったことでしょう。

庶民には血を残すという概念がなかったので、例え子供ができなくても財産を引き継ぐなんて考えなどなかった時代。

いなければいないで、別に問題ない、と言ったところでしょう。

位の高い貴族は一夫多妻制でしたので、正妻に子供ができなくても大丈夫な環境でした。

それゆえに不妊は一般的には病気として見られていなかった、という時代背景であったと推察されます。

もちろん、子供は産めて当たりまえという風潮は当時もかなり強かったことは、ドラマなどの時代考察からもわかります。

現代同様、子宝に恵まれないというのは、結構な偏見に満ちた目で見られたことは、想像に難くありません。

生理痛も定義されていない

今度は生理痛に話を移していこうと思います。

結論から言えば、古典的には生理痛は定義されていません

なぜなら、生理痛を数十年も毎月定期的に起こす方は、ほとんどいなかったからです。

それはなぜなのか?

先ほどの不妊の定義のところで、16歳から妊娠・出産を繰り返す、とお伝えしましたが、これを延々と繰り返していたので、生理自体の回数が少なかったのです。

初産の平均年齢が30歳になったことなど人間の歴史上なく、日本では2011年以降のことだという統計データが出ています。(参照:nippon.com)

初潮は天癸(てんき)と呼ばれ、大人になった証として見られ、鍼灸古典のバイブル【黄帝内経】では、女性の天癸は14歳が正常とされています。

現在は10歳程度で来る子もいますので、当時よりも栄養状態が良いことなどから、早熟なことは間違いありません。

14歳で天癸を迎え、15歳で成人して結婚、すぐに妊娠・出産を繰り返していくので、現代女性に比べ、1/3以下の回数しか生理を経験しません。

これらの事情から、生理痛自体がほぼ一般的には認識されていなかったので、病として定義されていない、ということになります。

また、出産は子宮に溜まった毒素を排出する、という側面もあります。

現代でも、出産したら生理が楽になった!という方が多いのは、出産時の出血で子宮の毒素が排出されるためです。

不妊や生理痛を現代の鍼灸医学から考える

大昔の婦人科疾患事情が分かったところで、今度は現代の鍼灸ではどう見ているか?を考えていきたいと思います。

現代の、といっても西洋医学ではなく、あくまで東洋医学としての鍼灸の立場から考察していきます。

不妊を鍼灸医学で考える

不妊症を現代医学で定義すると

一定期間(1年)以上、避妊せずに妊娠の可能性のある行為を行っているが、妊娠しない状態

としています。日本産婦人科学会HPより)

妊娠は鍼灸の立場から言えば、子宮で陰(卵子)と陽(精子)が混ざり合った状態のことを言います。

陽が陰に飛び込むことで妊娠に至りますが、陰である子宮や卵子に異常があれば、陰陽が結合しなかったり、結合した状態を保持できなかったりするので、妊娠しないことになります。

もちろん、陽である精子の力が足りなかったり、そもそもの数が少ないと、陰に至る可能性が低くなるので、妊娠しません。

西洋医学同様、妊娠には男女両方に因果関係があることは、鍼灸医学でも変わりはありません

陰が弱いということは、母体である女性自体が弱っていること、子宮が弱っていることのほかに、子宮の性質として血瘀(けつお=血だまり)状態であることから、血自体の問題もでてきます。

西洋医学では血自体の質(成分、温度など)と量で考ることが多いですが、東洋医学で重要な要素としては血流も見逃せません

いくら質や量が適切であっても、流れが弱かったり強すぎたりすれば、体を正しい状態に維持できないからです。

質・量・流れ、この三つの要素が絡み合って、受胎しない状態なっているのが、東洋医学における女性の不妊状態ということになります。

生理痛を鍼灸医学で考える

続いて生理痛を東洋医学で考えてみましょう。

生理痛は生理の時に起こる痛み症状ですが、東洋医学においては生理痛がないのが普通なのです。

だから古典では病気として定義されていなかった、と先ほどの章で説明しました。

生理は子宮にフォーカスすれば、血瘀(正常な血だまり)を作りますが、その性質上、血中の毒素(化学物質や余計な糖質・脂質など)を蓄えてしまいます。

これらが月経血の塊などになり、痛みの一因となっています

月経血の塊は体内の毒素の多さを示しています。

小便、大便、汗の三種類の排泄で解毒が間に合わない分を、月経血でも排出するのですが、ずっと体内に溜められていたものが塊としてでてきます

子供は生理的血瘀というのが東洋医学の概念ですが、出産は出血を伴いますので、言わば毒素抜きの役割もしています。

繰り返しになりますが、現代でも出産後に生理痛がなくなった、という方がいるのはこのためです。

鍼灸+ストレス解消がなぜ不妊・生理痛改善に有効なのか?

これまでで述べた通り、不妊も生理痛もあくまで結果であり、東洋医学から見ればその過程を知った上で改善策を打つことになります。

勘違いの内容に書いておきますが、鍼灸施術はあなたの異常を魔法のように治すのではなく、あなたの心身を一時的に改善傾向に傾かせる術であることはまず、ご理解いただきたいと思います。

では普段は、だれがあなたの心身を改善させるのでしょうか?

そうですね。あなた自身です。

あなたがあなたの主治医なのです。

ではなぜ、不妊症や生理痛になるのか?と言えば、男女関係なく現代人はとかくストレスにさらされていることが、大きな原因の一つです。

ストレスは鍼灸医学では「怒」の感情として分類されます。

怒を司る臓は肝であり、肝は疏泄(そせつ)と呼ばれる血流に似た力をコントロールしています。

肝は血自体を担当していますから、肝が弱ると血自体の栄養する力だったり、解毒作用も弱体化することになります。

ゆえに、ストレスがかかると血流が悪くなり、解毒・毒素を排出する力も低下する、という公式が成り立ちます。

疏泄を気血の巡りと捉えると、疏泄が悪くなることで血だけでなく、相方である気の流れも弱くなります。

気血の流れは疏泄と気がコンビを組んで調整しているので、片方だけが悪くなるというのは理論上ありえません。

もう一つの現代人の抱える血流悪化の原因がスマホです。

スマホをする見ている時間が長い=運動不足である。

これが一つの理由で、もう一つが目の力は血の力を使っているという、東洋医学的解釈です。

画面をじっと見つめ続けると、充血しますよね。

それだけ目は血の力を使っている証拠ですから、特に暗いところでのスマホは厳禁です。

気の流れが弱くなると何か起こるか?

気は熱であり行動力ですから、気の流れが弱くなれば体が冷え、思考を鈍らせたり悪い方向へと向かわせます

ご存知の方も多いでしょうが、冷えは不妊や生理痛の原因のひとつであり、天敵です。

冷えは子宮の弾力性を奪いますし、血自体が冷えることで、免疫や解毒などもろもろの処理が遅くなったりします。

解毒力が低くなるので、ますます正しい状態から遠のくこととなります。

これらのことから、ストレスをため込みすぎるとそれ自体が毒素になるので、不妊の原因になったり、月経血の塊や生理痛としてでてしまうわけです。

塊があり続けること=熱の塊で、将来の子宮筋腫や内膜症の原因となる可能性が高いですから、早めに塊のでない心身作りが必要となります。

ですから、不妊や生理痛改善にはストレスの解消やうまく付き合う方法を見つけることが大切、となりますし、それにより将来の不安も解消されていきます。

とはいっても、夢や目標もストレスの一部ですから、適度なストレスは必要です。

完全ノーストレスは心身を緩ませる方向にみますので、今度は子宮が血を保持する能力を奪うことにもなるからです。

なんでも適度が一番、ってことですね。

適度にストレスを抜きつつ、副交感神経優位にできる楽陽堂鍼灸院の鍼灸を受けることで、ストレスフリーな心身状態にしていくことが、不妊・生理痛改善への近道と言えそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ストレスを溜めるとロクなことにならない、というのがお分かりいただけたでしょうか?

今のあなたはストレスを抱えすぎて体がカチカチ、思考も下向き…なんて、なってませんか?

ストレスが心身を固めてしまうので、不妊治療を止めたらすぐに妊娠した、なんてよく聞く話は、これが起因しているのです。

これまでで述べた通り、鍼灸施術は気血の流れを調整させることで、副交感神経優位の状態を作ることができます。

これはつまり、鍼灸施術を受ける=あなたが無意識・意識的に抱えているストレスを、緩和させることができる、ということでもあります。

急な変化は、心身にとってストレスでしかありませんから、ある程度の時間をかけながら、うまくバランスを取っていくほうが、将来的にも継続して良い状態をキープできることでしょう。

不妊も生理痛も鍼灸施術を受けてさまざまなストレスを抜いていくことで、血流の改善を行うことで子宮の状態を正しい状態に戻しことができるので、必ずといってよい確率で変化を見せます。

それに不妊も生理痛もその場で結果のわかるものではありませんから、楽陽堂鍼灸院では婦人科疾患の患者様には、3カ月プランをご用意しております。

不妊や生理痛にお悩みなら今こそ鍼灸を受診して、不安のない未来で笑顔を咲かせてみませんか?

楽陽堂鍼灸院はあなたのライフメディカルパートナーです。

あなたと一緒に、あなたの笑顔の未来を作っていきたいと願っています。