ご覧くださりありがとうございます。
楽陽堂鍼灸院の院長、山口です。
これをご覧になられている、ということは、あなたは慢性的な肩こりに悩まされている方なのでしょう。
ここでは鍼灸師の立場から、肩こりってどんな症状で、改善方法はどんなものがあるのか?
普段、楽陽堂ではどんなふうに施術しているのか?をお伝えしていこうと思います。
日常生活の中で簡単にできる改善策も含めてお伝えしていきますので、最後までよろしくお付き合い。
鍼灸視点で肩こりはどんな状態のことを言う?

よく鍼灸整骨院などの保険で施術を行うところや、リラクゼーションで行われているのが、肩が凝ったら肩に、腰が痛いから腰に施術をする、電気を流して血行を良くする、筋肉を緩ませることで改善する、などの方法です。
でも、ほとんどの方がお気づきの通り、院を出てその夜や翌日には元通り…ですよね。
これはなぜなのか?って思いませんか?
個人的には確かに安いから週に何回も通えるけど、お金も時間も無駄にしている気がしてなりません。
じゃぁ、同じことの繰り返しにならないようにするには、どうすればいいのか?
肩こりは結果であって、原因ではないのだから、原因を改善していけばいいのです。
楽陽堂鍼灸院で行っている経絡治療は、気と血の流れを整える鍼灸術です。
この観点から言えば、肩こりの症状は、
気と血(けつ)または両方の滞り
です。
五臓六腑や、それに関連する気に流れる道=経絡の流れが滞ると発生するのが気滞で、血流が悪くなった状態を血虚(けっきょ)や、肝鬱(かんうつ)などと言います。
まとめて肝鬱気滞(かんうつきたい)などと呼ばれることもあります。
これらは現れた状態のことを指す言葉なので、鍼灸に興味がある方は覚えておくと良いかもしれません。
鍼灸的肩こりの多くは「肝鬱気滞」によるもの
肩こりのことを気滞や肝鬱だと考えると、これを流せばいいわけです。
だからといって、肩に鍼をすれば問題解決!
…にならないのが、楽陽堂鍼灸院のような、「東洋医学を主としている鍼灸院」です。
肩に刺せば確かに、簡単に肩こりは飛ばせます。
ですが、これでは一時的に…ですから、前章で挙げた鍼灸整骨院やリラクゼーションと変わりありません。
当院は鍼灸専門で保険診療はやっていませんから、これらと同じことをしていては、ただのぼったくり院です。
それではどんな見立てて、肩こりを診ているのでしょうか?
さきほど挙げた気滞と肝鬱から読み解いていこうと思います。
鍼灸で言う気滞
気滞とは、字の通り【気が滞っている状態】のことです。
そんな当たり前のこと言うなよ…って、思うかもしれませんが、こうなる原因をきちんと解明できて、理論立てて説明⇒解決できる鍼灸師って、意外と少ないのです。
だから多くの鍼灸師は、肩に鍼をして電気を流すんですよね…。
それじゃ気が滞っているのが、何で痛みやコリを生み出すのか?
ここを説明していきます。
気は6つの役割があり、そのうち主に肩こりに関わるのは
常に動き続ける性質(推動作用)
周囲を温める性質(温煦作用)
他の物質を変化させる力(気化作用)
の三つです。
このうち特に推動作用が弱まった状態を気滞と言います。
鍼灸で言う肝鬱
続いて肝鬱(かんうつ)です。
肝は血を心臓に渡す役割がありますが、血自体の役割は西洋医学とあまり変わりはありません。
栄養を与える(滋養作用)
強すぎる熱を冷ます(寧静作用)
などが主な仕事です。
肩こりを考える時に重要な、西洋医学と最も違う概念は、血は物質なので、血自体の力で体内を流れることはできない、というところでしょう。
もちろん、心臓の力で流れている、という点は同じですが、流れを止めないためには気の力が必須なのです。
そして気は、血管(鍼灸では血脈と言います)に伴走していて、推動作用により血の流れを補助しています。
ですから、気滞が起こると、血も滞ってしまうわけです。
肝鬱は目の使い過ぎやストレスなど、肝気の使い過ぎなどで起こる症状です。
肝は血を司っていて、目や筋を担当し、肝に集まった血を心臓に上げる力をもっています。ストレスを強く感じたりすると、肝の力が弱って、上に血をあげられなくなります。
肝鬱になると、血を上に上げた勢いで出ていた流れが弱まりますから、気の力が弱まった時と同じことが起こるのです。
だから気滞と肝鬱を合わせて、肝鬱気滞なんて呼ばれるんですね。
気滞血瘀になると、一体なぜ肩こりが起こるのか?

気血はその性質から、常に流れ続けることを義務付けられています。
西洋医学で考えたって、血が止まってる状態は異常ですし、最悪、死んでしまいます。
気血が滞ると、普段流れていなくてはならない気は、どこに行ってしまうのでしょうか?
気は陽なので、性質的に上に向かいます。
沸騰したやかんの湯気が、風でもなければ下に向かわないのと一緒です。
体感において肩は上限ですから、ここに気が溜まります。
気が溜まる=滞ると、肩周りの筋肉がコルことになるのです。
気の動き続け力である推動作用が弱まると、体を動かす力が弱まることになります。
同様に、温煦作用が弱くなると、筋肉が固まりますから、コリとして症状が出ます。
気化作用が弱くなると、筋肉を滋養する力が弱くなるので、こちらも筋肉が固まります。
ついでに肝鬱もありますから、筋肉が滋養されずに余計に血流が悪くなり、コリが増すという仕組みになるのです。
これで仕組むがわかったので、次は楽陽堂鍼灸院ではどうやって改善していくのか?
どうやって再発防止につなげているのか?を説明して行きたいと思います。
鍼灸で肝鬱気滞の肩こりを解消する術を紹介
肝鬱気滞による肩こりを解消する鍼灸術。
ここまでのプロセスを考えると、肝も気も血を循環させるために、タッグを組んでいることがお分かりいただけたかと思います。
肝鬱気滞をばらしてみると
気 ⇒ めぐっていない
血 ⇒ 消耗している
となります。
ということは、これを正せばいいわけです。
この症状で言えば、楽陽堂でやる選穴は次のようになります。
復溜:腎経の金穴。下焦に位置する腎の陽気の力を上げることで、気の上下の流れを生む
曲泉:肝経の水穴。足りない血のエネルギーを補う
実際にやることはこれだけです。
これに肝と腎自体ブーストをかける意味で、肝兪と腎兪を使うことも多いです。
鍼をして気血の流れを整え、灸をしてさらにエネルギーを足す。
こんなイメージで楽陽堂では施術を行っています。
左右ありますから、基本は8穴で十分です。
使用するツボの数が多ければ多いほど、それぞれの効果が薄まりますし、検証しにくくなります。
だから、なるべく少ないツボ数に抑えているのです。
自分でできる肩こり改善方法

ここまでを読んでくださった方なら、自分がどうすればこのタイプの肩こりを解消できるか?
想像がついてくるのではないでしょうか?
気血の流れが滞っていること、ストレスがかかったり、目の疲れからきているものを改善する、となれば、そう、運動ですよね。
パソコンやスマホ画面を見る時間を減らして、ちょっと運動する。
これが一番手っ取り早い改善方法です。
画面を見ることを30~60分に一回やめて、外を3分見る
万歳しながら深呼吸を3回する
週に2~3回、30分程度の運動をする
たったこれだけを習慣化できれば、肩こりは確実に半減します。
ちなみにここでいう運動は、心拍数が100以上の状態を保つことだと思ってください。
まとめ
いかがでしょうか?
肝鬱気滞による肩こりは実は意外と簡単に解消できる、と思っていただけたのではないでしょうか?
前章の改善策を一カ月やってみても改善しないなら、恐らく別の要因があります。
そういう時はぜひ、ご相談ください。
あなた自身が感じていない心身のズレを、がっつり問診としっかり施術で解き明かして、私が一緒に改善の道を走ります。
自分の体質を知り、自分にあった養生法を実践する。
これこそが、あなたの健康を約束してくれる近道です。
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