春が近くなると、肩コリが酷くなって困る
ホットフラッシュ連発で、生活に支障が…
地元・葛飾を日本一健康寿命の長い地域にする夢を持つ、楽陽堂鍼灸院の山口です🌿
先日の春一番で、妻は一気に不調が出て仕事を休んでいましたが、更年期世代の女性は特に、ホットフラッシュなどが多くなって困り事が増える季節ですよね。
今回は東洋医学の観点から、のぼせや肩こりがなぜ春に発生しやすいのか?を、肝の働き、腎の特性に焦点を当てて解説しつつ、解決策も考えてみましょう。
あなたが楽に春を過ごすヒントが隠されていますから、最後まで読んでみてくださいね。
結論:春は発陳の季節だから、肩コリやのぼせが出やすい
春の到来は自然界の活性化を象徴し、体調不良が表れる季節への突入を示しています。
この春という季節は、東洋医学で発陳の力が最も強くなる季節とされます。
漢方で春は『発陳(はっちん)』と称し、「春陽上昇ともに潜気発散し、天地の間に万物みな発生する」なんです。「陳」とは古いという意味です。冬の間表に出るに出られなかった思い、考え、想像を春陽とともにどんどん行動して、発散させることを言います。
薬学博士堀田清:元気の種より
私も初めて読んだ時は「ん?どういうこと」ってなったのですが、単純に言えば「気が上へ横へと力強く動くこと」ということです。
この力は中医学では「昇発」といい
昇発:肝の機能です。春に若芽が伸びるように体の上部や外に向かう肝の働きです。肺の粛降に対して上へあげることをいいます。気を昇発するというように使用します。
ハル薬局:昇発より
ということですので、春はこの影響で、気血が上へと急激に上りやすい季節だと言えますね。
人体において上とは頭や首肩ですから、そこに気血が上って留まれば、気滞が発生することで首肩コリになり、頭に留まればホットフラッシュを含むのぼせなどになるわけです。
ですが、こういった症状が全くでない方も多くいますよね。それはどうしてなのでしょうか?
理由は簡単で、この季節の変化に適応できないと、のぼせや肩こりといった不快な症状が現れやすくなるからです。
コレを呼んでいるあなたは、変化に対応できないから読んでいると思いますので、東洋医学的にどうしてそうなってしまうのか?の解説と、対処法を考えていきます。
肝の働きとのぼせ、肩こり
発陳および昇発は、五行説で考えると肝の力だと考えられています。
肝は東洋医学では春の発陳と同じ力を持つ臓器であり、気の流れをスムーズに保つ役割(疏泄:そせつ)を持っています。
東洋医学では心臓の拍出力だけでなく、この疏泄の力によって血も体内を循環しているというのがポイントで、発陳のような急激な気の変動に対応できないと、肝の働きが不足し、気の滞りが生じます。
中医学の言葉ではこの状態を、肝鬱気滞(かんうつきたい)と呼び、肩コリやのぼせはもちろん、頭痛なども発症させます。
気を巡らせるのが肝の仕事なのに、なにかの原因で肝が疲れてしまっていたりすると、対応力が小さくなってしまうわけです。
肝は五情(怒・喜・思・憂・驚の5つの感情)で言えば、怒の感情を担当していて、ストレスで感じるイライラもここに含まれます。
肝は筋肉の担当でもありますから、イライラすると血流が増して体が固くなり、頭に血が上るので怒りっぽくなります。
ストレス以外にも現代人が肝虚=肝が弱った状態になりやすい理由として、肝は目も担当しているので、スマホやPCの使い過ぎなどもその原因になるのです。
腎と冷えの関連性
春は暖かくなる反面、三寒四温と言われる通りまだまだ冷える日もあります。
この状態は太陽はすでに春でも、太陽の陽気を地面が吸い込み切るまでは、大地は冬のままという状態。
五運六気などと言われますが、天の陽気は6つの季節があるのに、大地は5つの季節しかなく、天の気を吸収するために遅れて季節がやってくるとされ、タイムラグ解消のため、大地の季節は5つしかありません。
地面や下半身など下は陰の領域であり、陰中の陰である腎は、冷えの影響が強くでる蔵(臓)でもあります。
冷えすぎるのはもちろん良くないので、腎は自身が陽気を持つことで体温調整しているのです。腎は別名、陰陽の根本とも言われるのはこのためです。
位置的に一番下にある蔵である腎の機能が低下すると、腎自体の陰陽バランスが崩れるので、冷えが生じやすくなります。
頭に溜まった熱と、腎の弱りによる下半身の冷えが顕著になり、上の熱が巡らず下に冷えが溜まる、上熱下寒状態になります。
ココに春の発陳によって更に上へと気血が上るので、肩コリやのぼせが増長されることになります。
東洋医学で考える、春の肩コリ・のぼせ対策3選
ここまでのことから、春は発陳の効果で特に頭に気血が上って留まりやすく、大地の冷えによって、下半身は冷えがより溜まりやすいことがわかりました。
それによって上熱下寒状態になっていることが、春の肩コリやのぼせの原因になっている。
そうなると対策は実に簡単。その逆になることをすればいいわけですから…
春の肩コリ・のぼせ対策3選
① 足を動かす運動を適度にする
② お腹から下を温める
③ スマホを控えめにする
なんてことはない、どこでも言われる健康対策をしっかりと行うことが、肝と腎の弱りを防ぎ、結果として春の発陳の力に負けない体になる、ということですね!
春の肩コリ・のぼせ対策その1
足を動かす運動と言っても、そんなに大げさに考えることはありません。
実際にやることは、散歩で十分ですし、なんなら週末にまとめてやってもOKです。
目安は【一週間で合計、2時間以上の有酸素運動を行う】だけでいいのです。実はこれはメンタルケアにもなりますから、ぜひやってみてください。
春の肩コリ・のぼせ対策その2
お腹から下を温めるためには、おへその下=下腹部か骨盤、もしくは両方にカイロを貼るなどして、下半身の血流に温度が乗るようにしましょう。
心臓を出た血液は大動脈を通り、背骨に沿って下降していき、骨盤辺りで両足へと分かれて足の指先まで到達します。
そこから静脈に乗って上行し、骨盤辺りで合流。心臓へと戻っていく仕組みですから、下腹部や骨盤にカイロをすることは、そのまま下半身を温めることになるのです。
更にその1の運動を合わせると、第二の心臓であるふくらはぎも動きますから、余計に血流がよくなる=解決策として、効果が倍増される仕組みです。
春の肩コリ・のぼせ対策その3
最後にスマホを控えめにすることですが、これが実際は一番難しい気がします。
私自身、スマホは片時も離せない…とはいいませんが、出かける時に手元にないと不安を覚えてしまうくらい、生活必需品になっています。
ですが、スマホは目は当然として、脳や自律神経にも良くないので、見ない時間を作ることが、肩コリやのぼせだけでなく、QOL(生活の質)を高めるために必要です。
もうちょっと詳しく知りたい方、私の書いたブログを読んでください。
ブログ:スマホの見すぎは、自律神経の活動に悪影響?東洋医学からも解説
さて、肩コリやのぼせを少なくしたいなら、特に2つのことを気をつけてください。
普段からやると良いスマホ時間コントロール
① 60分に付き5分は目を離す
② 寝る30分前には、すべての通知か電源を切る
正直に言って、これらだけを2週間やりきれればかなり解消されます。(個人差はあります)
実際に、楽陽堂鍼灸院の患者様やってもらったところ、肩コリが減るに従ってのぼせも楽になってきた、とのことでした。
足へのお灸も有効な手段ですので、ぜひ試してみてください。
基礎的なツボである、足三里と三陰交を毎日やると効果的ですよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
東洋医学の視点から見ると、春は発陳(昇発)の力が強く働くので、肩コリやのぼせが出やすく、特に更年期世代はホットフラッシュとして現れやすい、ということでした。
それは春の陽気で上が温かいが、地面はまだ冬の冷たさを維持しているので、上熱下寒状態になってしまうことが、肩コリやのぼせを増長しているからです。
解消法としては、下記の3つをあげました。
春の肩コリ・のぼせ対策3選
① 足を動かす運動を適度にする
② お腹から下を温める
③ スマホを控えめにする
足三里や三陰交へのお灸も有効ですので、やってみてくださいね。
それでもなかなか解消しないのであれば、ぜひ一度、お試し価格で受けられますので、楽陽堂鍼灸院へご来院ください。
しっかりとお話をお伺いし、あなたの心身状態を底上げしていくことで、根本から改善していく方法を一緒に考えさせてください。
治療を始めるなら、早く始めたほうが早く良くなりますので、迷ってないですぐにご予約ください。
あなたにお会いできるのを楽しみにしています。
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