鍼灸師が考える肩こりと改善方法ってどんなの?

肩こり

これをご覧になられている、ということは、あなたは慢性的な肩こりに悩まされている方なのでしょう。

たかが肩こりというなかれ…。

しんどい方は悪化すると頭痛になっちゃうかも、なんて不安が増します。

ご覧くださりありがとうございます。

葛飾区にあるJR亀有駅南口徒歩5分、【東洋医学専門】楽陽堂鍼灸院の院長、山口です。

これから一生肩こりと付き合っていくなんて冗談じゃないですよね!

ここでは鍼灸師の立場から、肩こりってどんな症状で、改善方法はどんなものがあるのか?

普段、楽陽堂鍼灸院ではどんなふうに考えて、どんな施術をしているのか?をお伝えしていこうと思います。

日常生活の中で簡単にできる改善策も含めてお伝えしていきますので、最後までよろしくお付き合いください。

結論:肩こり解消には肝鬱気滞を解消すればいい

肝鬱気滞(かんうつきたい)については詳しく後で述べますが、簡単に言えば血流が悪くなって筋肉がうまく動かないことだと思ってくれればOKです。

血流が悪くなる一番の理由は、運動不足ここ数年は、新型コロナの影響で拍車がかかっています。(2022年末現在)

そして東洋医学で言えば、目の使い過ぎやストレスなどが挙げられます。

東洋医学では、目のピントを合わせる力や筋肉の動き、ストレス、イライラをはじめとする怒りの感情を司る、肝の影響が強いとされています。

また、肝は血流も担当しているので、運動不足に加えて目の使い過ぎやストレスも、血流を悪化させる要因になります。

ということで、わかってはいるけどなかなかできない運動を、毎日の生活の中に取り入れれば肩こりの大半は解消できます。

ほんのちょっとしたことの積み重ねが、肩こり解消のための大きな助けになるのです。

さて、では肩こりって東洋医学でどんな状態なのか?
どうやって楽陽堂鍼灸院で解消していくのか?

そして、ほんのちょっとしたこととは、実際にはどんなことをすればいいのか?

説明していきたいと思います。

東洋医学視点で肩こりは、どんな状態のことを言う?

保険で施術を行うところやリラクゼーション施設で行われているのが、肩が凝ったら肩に、腰が痛いから腰に施術をする、電気を流して血行を良くする、筋肉を緩ませることで改善する、などの方法です。

でも、ほとんどの方がお気づきの通り、治療を受けてその日時はよくなっても、その夜や翌日には元通り…なこと、多いですよね。

これはなぜなのか?って思いませんか?

繰り返しになるのがわかってるのに、確かに安いから週に何回も通うのは、お金も時間も無駄にしている気がしてなりません。

じゃぁ、同じことの繰り返しにならないようにするには、どうすればいいのか?

肩こりは結果であって原因ではないのだから、原因を改善していけばいいのです。

楽陽堂鍼灸院で行っている経絡治療は、気と血の流れを整える鍼灸術です。

この観点から言えば、肩こりの症状は、気か血(けつ)、または両方の滞りです。

気血の流れは内臓の管理も行っているので、西洋医学でいうなら自律神経ともいえるでしょう。

五臓六腑(内臓)や、それに関連する気に流れる道=経絡の流れが滞ると発生するのが気滞で、血流が悪くなった状態を肝鬱(かんうつ)と言います。

まとめて肝鬱気滞*(かんうつきたい)と呼びます。*肝鬱気滞は症状の現れた状態のことを指す言葉で、原因を指す言葉ではありません

肩甲骨の間のエリアは、肝の担当するエリアだと言われており、ストレスがたまるとこのあたりが硬くなるので動悸を感じたり、いかり肩になったりします。

ゆえに肝鬱気滞は肩こりを呼ぶのです。

東洋医学的肩こりの多くは「肝鬱気滞」によるもの

肩こりのことを気滞や肝鬱だと考えると、これを流せばいいわけです。

だからといって、肩に鍼をすれば問題解決!…にならないのが、楽陽堂鍼灸院のような、「東洋医学を主としている鍼灸院」です。

肩に刺せば確かに、簡単に肩こりはほぐせます。

ですが、これでは一時的に…ですから、これでは根本解決、再発防止にはなりません。

それでは楽陽堂鍼灸院はどんな見立てて、肩こりを診ているのでしょうか?

さきほど挙げた気滞と肝鬱から読み解いていこうと思います。

鍼灸医学で言う気滞

気滞とは、字の通り【気が滞っている状態】のことです。

そんな当たり前のこと言うなよ…って、思うかもしれませんが、こうなる原因を解明して、理論立てて説明⇒解決するのが本来の鍼灸術です。

それじゃ気が滞っていることで、何で痛みやコリが生まれるのか?

ここがわからないと原因からよくできないので、簡単に説明していきます。

気は6つの役割があり、そのうち主に肩こりに関わるのは

  • 常に動き続ける(推動作用)
  • 周囲を温める(温煦作用)
  • 他の物質を変化させる(気化作用)

の3つです。

このうち特に推動作用が弱まった状態を気滞と言います。

東洋医学で言う肝鬱

続いて肝鬱(かんうつ)です。

肝は血を心臓に渡す役割がありますが、血自体の役割は西洋医学とあまり変わりはありません。

血の役割は

  • 栄養を与える(滋養作用)
  • 強すぎる熱を冷ます(寧静作用)

などが主な仕事です。

肩こりを考える時に重要な、西洋医学と最も違う概念は、血は物質なので、血自体の力で体内を流れることはできない、というところでしょう。

血管から飛び出た血が、自分勝手に動き回らないのがその証拠で、勝手に動いたらバイオハザードですね!

もちろん、心臓の排出力で血を心臓から出す、という点は同じですが、血を指先まで届けるためには気の力であると考えます。

なぜなら気は、血管(東洋医学では血脈と言います)に伴走していて、推動作用により血の流れを補助しているからです。

ですから、気滞が起こると、血も滞ってしまうわけです。

肝鬱は目の使い過ぎやストレスなど、肝気の使い過ぎなどで起こる症状です。

肝は血を司っていて、目や筋を担当し、肝に集まった血を心臓に渡す力をもっています。

ストレスを強く感じたりすると肝の力が弱って、心臓に血をあげられなったり、ピントが合わなくなります。

肝鬱になると血の流れが弱まりますから、気の力が弱まった時と同じことが起こるのです。

だから気滞と肝鬱を合わせて、肝鬱気滞なんて呼ばれるんですね。

肝鬱気滞になると、一体なぜ肩こりが起こるのか?

気血はその性質から、常に流れ続けることを義務付けられています

西洋医学で考えたって、血が止まってる状態は異常ですし、最悪、死んでしまいます。

気血が滞ると、普段流れていなくてはならない気は、どこに行ってしまうのでしょうか?

気は陽なので、性質的に上に向かいます

沸騰したやかんの湯気が、風でもなければ横や下に向かわないのと一緒です。

体幹部分において肩は上限ですから、ここに気が溜まります。
特に肩甲骨の間にその気が留まる、とされます。

気が溜まる=滞る

熱によって筋肉の水分が蒸発する

肩周りの筋肉がこる

こんな図式になります。
ほかにも

気の動き続け力である推動作用が弱まる

体を動かす力が弱まる

温煦作用が弱くなる

筋肉が冷える

筋肉が固まる

肩こり

こんなことが起こるんですね。

気化作用が弱くなると、筋肉を滋養する力が弱くなるので、こちらも筋肉が固まります。

ついでに肝鬱もありますから、筋肉が滋養されずに余計に血流が悪くなり、コリが増すという仕組みになるのです。

これで仕組みがわかったので、次は楽陽堂鍼灸院ではどうやって改善していくのか?どうやって再発防止につなげているのか?を説明して行きたいと思います。

鍼灸で肝鬱気滞の肩こりを解消する術を紹介

肝鬱気滞による肩こりを解消する鍼灸術。

ここまでのプロセスを考えると、肝も気も血を循環させるために、タッグを組んでいることがお分かりいただけたかと思います。

肝鬱気滞をばらしてみると
気 ⇒ 巡っていないから冷えて筋肉が固まる
血 ⇒ 消耗して筋肉を栄養できない

となります。

ということは、これを正せばいいわけです。

この症状で言えば、楽陽堂鍼灸院でやる選穴は次のようになります。

復溜:腎経の金穴。下焦に位置する腎の陽気の力を上げることで、気の上下の流れを生む
曲泉:肝経の水穴。足りない血のエネルギーを補う

実際にメインでやることは、この2つの経穴(ツボ)、左右計4か所を適切な刺激で整える、これだけです。

これに血の原料になる水を増やす意味で陰谷(腎の水穴)と、肝と腎自体を活性化させる意味で、肝兪と腎兪を使うことも多いです。

鍼をして気血の流れを整え、灸をしてさらに熱による循環エネルギーを足す

こんなイメージで楽陽堂では施術を行っています。

左右ありますから、基本は8~10穴で十分です。

使用するツボの数が多ければ多いほど、それぞれの効果が薄まりますし、検証しにくくなります。

だから、なるべく少ないツボ数に抑えているのです。

自分でできる肩こり改善方法

ここまでを読んでくださった方なら、自分がどうすればこのタイプの肩こりを解消できるか?

想像がついてくるのではないでしょうか?

気血の流れが滞っていること、ストレスがかかったり、目の疲れからきているものを改善する、となれば、そう、運動ですよね。

ついつい手に取ってしまうスマホや、仕事でひたすら画面を見つめる時間を減らして、ちょっと運動する。

これが一番手っ取り早い改善方法です。

オススメしているのはコチラです。

肩こり解消法その①:45~60分に一回、立ち上がって深呼吸を3回する

職場でも在宅でも、今や仕事でPCやスマホを使わないことはないでしょうし、ほとんど方は画面を毎日8時間みていることでしょう。

これまでの解説通り、目を使いすぎるのは血の流れを悪くしますし、座っていればこちらも血の流れを悪くします。

当然、肝鬱気滞を呼び込むので、肩こりはひどくなっていきます。
だから、適度な時間でいったん、目を休ませて体を動かす必要がでてきます。

体を動かすと言っても、そんなに大げさなことをする必要はありません。

①立ち上がって深呼吸を3回すること
②外を20秒以上見ること

たったこれだけです。簡単でしょう?
職場で立ち上がって深呼吸はちょっとだけ、ハードルが高そうですけど…。

もう一つの外を見ると、大抵木々の緑や空の青が目に入ってくると思います。
これらの色は目をリラックスさせる周波数なのです。(参照:ビジョンメガネ)

目をつむる、6m以上遠くをみるというのも、目のピントを合わせる筋肉(毛様体筋)が緩むことが、科学的に分かっています。(参照:古川中央眼科)

在宅の方であれば、ストレッチポールを使ってみるのもいいでしょう。

個人的には転がらないので狙ったところにピタッと当てられ、短いので片づける場所にも困らならいハーフカットタイプがオススメです。

LPN ストレッチポールハーフカット ネイビー スタートBO、エクササイズDVD付き

楽天市場 Amazon

肩こり解消法その②:最低、週に3回、30分程度の運動をする

30分も運動…。
もうこれだけで嫌になっちゃう人も多いかと思いますが、まずはそのマインドブロックを壊していきます。

運動というといきなりやりそうなのが、ランニングやジム通いですが、これは絶対にやらないでください。

その詳しい理由は私のYoutubeチャンネル『楽陽どうでしょうチャンネル』でご紹介していますので、こちらをご覧ください。

これまで運動習慣がなかった方は、いきなりランニングやジム通いなんて、そんなことしなくても大丈夫。

電車通勤に方なら朝20分早く家を出て、一駅歩いて出勤すればいいんです。
在宅の方は仕事前に散歩へ、車通勤の方は駐車場への道を遠回りして30分歩くだけ。

あとは自分の筋量にあった筋トレなどを、5分程度やるだけで十分です。

それで運動になるの?
はい。だって、これまで全く体を動かさないでいた人なら、これだけで十分な運動です。

肩こり解消法その③:スマホを寝る60分前には電源を切り、寝室とは別の部屋に置く

スマホは便利すぎてついつい使いすぎてしまいます。

これはなにもあなただけではなく、ほとんどの人がそうなってしまっており、今やスマホ依存状態にみな陥っています。

特に寝る時間の60分前にはスマホの電源を切りましょう。これによって交感神経の高ぶりを抑えることができます。

そして、脳科学的に考えて、寝室にはスマホは持ち込まないことが必須です。

これは寝室にスマホがある状態で寝ると、脳がスマホによる刺激を欲しがることで、睡眠の質を下げるからです。

スマホが自律神経を乱す原因であることは、他のブログでも解説しています。

楽陽堂ブログ:スマホの見すぎは、自律神経の活動に悪影響?東洋医学から解説

難しいとは思いますが、意識してスマホを手放す時間を作りましょう。

なかなか手放せない?そんな人はこちらの道具がオススメです。

【TV朝日 グッド!モーニング で紹介 】 デジタルデトックス タイムロッキングコンテナ

楽天市場 Amazon

もう、依存気味の私も含めた現代人は、こういった道具で強制的にスマホから離れる必要があります。

デジタルデトックスで、肩こりも自律神経も整いますから一石二鳥ですよ。

たったこの三つを習慣化できれば、肩こりは2週間もすれば確実に軽くなります。回復具合はあなたの肩こりが、現在どの程度重症化しているかによります…。

まとめ

いかがでしょうか?

肝鬱気滞による肩こりは、実は意外と簡単に解消できる、と思っていただけたのではないでしょうか?

前章の改善策を2週間しっかりやってみても改善しないなら、恐らく別の要因があります。

そういう時は亀有まできていただき、あなたの心身を診せてください。

たかが肩こり、されど肩こり。

その肩こりが人生の質を下げているとしたら、改善しない手はないですよね?

あなた自身が感じていない気血・心身のズレ=自律神経の乱れを、がっつり問診としっかり接診で解き明かして、私が一緒に改善の道を走ります。

自分の体質を知り、自分にあった養生法を実践する

これこそが、あなたの健康を約束してくれる近道です。

肩こり解消コースもご用意して、あなたのご来院を心よりお待ちしております。

楽陽堂鍼灸院はあなたのライフメディカルパートナーです。