鍼灸が生理痛改善に役立った実際例

婦人科

ご覧いただきありがとうございます。楽陽堂鍼灸院の山口です。

これを読んでみよう…と思ったあなたは、きっと毎月の生理痛が辛かったり、服薬などを止めたい、いろいろやってみたけど、生理痛が改善しない方、などでしょう。

鍼灸では痛みがでないことorほぼ感じない程度が普通、という見解から、生理痛は改善できるものとして施術を行っています。

もちろん、翌月には完全に痛みがなくなる方は少数ですが、数カ月で劇的に改善する方が多いのも事実です。

今回は私の妻の重度の生理痛が改善した例から、鍼灸がなぜ生理痛に有効だったのか?をお伝えしていこうと思います。
あなたのツライが少しでも改善するヒントがたくさんですので、最後までお付き合いください。

なぜ鍼灸が生理痛に有効なのか?

西洋医学で生理痛は、プロスタグランジン過剰による、子宮の過剰収縮であろう、と考えられています。

ですが、なぜ過剰にプロスタグランジンが排出されるのか?は、全くの謎です。
これからの研究によって解明されるのかもしれませんが、それはまだまだずっと先の話になると思います。

それはさておき、なぜ、鍼灸が生理痛に有効なのでしょうか?
そ・れ・は…

鍼灸が自然との調和を考えた医療だから
なのです。

鍼灸の基本的な考え方は東洋医学から来ていますが
天人合一=人間も自然の一部だから、自然と調和して生きていくことが最も大切
という思想から来ています。

この考え方を逆に考えれば、本来痛くないはずの生理に痛みがでる=自然と不調和な生活をしている、ということになります。

自然と調和していないから生理痛がでる

では、現代女性にとってもはや常識となった生理痛の原因が、自然との不調和である、とするならば、どの辺が不調和なのでしょうか?

調和とは
全体が程よくつりあって、矛盾や衝突がなく、まとまっていること

出典:weblio辞書

とされています。

生理痛がある=不調和が起きているということは、どこかに矛盾があり、つり合いが取れずにまとまっていないことと、となります。

鍼灸で考える自然との調和とは、
四季や1日の中で正しい生活をしているか?
飲食不摂生をしていないか?
適度に体を動かしているか?

を言います。

人間が人間としての生活を始めてから、夜は月や星以外の明かりなく、ほぼ真っ暗だったと想像できます。
夜行性の肉食動物も多くいたようですから、夜に動き回るのはかなり危険だったことでしょう。
自衛手段としても、夜は眠るものだったのです。

また、人類はその歴史のほとんどを、移動しながら狩猟をして暮らしていました。
大物を狩れたとしても冷蔵庫もないので、仲間が皆、いつもお腹いっぱいだったことは、ほぼなかったことでしょう。

今のように自動車や電車は当然として、自転車もなかったので、移動は全て徒歩。
つまり、四肢を使った運動を常に行っていました

今のあなたの生活と比べて、自然と調和して生きているでしょうか。
時代が違う?そうですよね。
でもだから、あなたの体は悲鳴をあげているのではないですか?

ストレスが生理痛に大きく影響する

続いて鍼灸施術の中でも重要な、もう一つの調和についてお話をして行こうと思います。

もうひとつって、一体なんの調和=つり合いなのでしょうか?
そ・れ・は…、心と体、つまり『心身』です。

いつもに比べて生理痛がキツイ時のことを、ちょっと思い出してみましょう。
前回の生理から今回の生理までの間、なにかパートナーともめたり、仕事でストレスを強くかけられたり、大事な試験があったりしませんでしたか?

多くの方は「あった、あった!」となることでしょう。
心の問題も生理痛の改善を考えた時に、とても大切な要因の一つなのです。

鍼灸では体の異常だけでなく、心との調和を取ることこそ、上策とされているので、心身の調和なくして、病の根治は考えられないのです。

ストレスをため込みすぎない。溜まったら発散する術をもつ。
これも生理痛改善に大切な、大切な方法の一つです。

生理痛を鍼灸で考えると血流不足か冷えがほとんど

鍼灸で生理痛を考えると、血流不足が原因であることがほとんどです。

ただ、一口に血流不足と言っても、いろいろな原因によります。
その代表がストレスと冷えです。

ストレスによる血流不足

なぜストレスが血流不足を生むのか?
結論から言ってしまえば、ストレスは血流を担当する肝を弱らせるからです。

人間だれしもストレスを受けると、思考がイライラや怒りに傾いたり、体が委縮してうまく動かなくなります。

鍼灸では思考するにも体を動かすにも血を使うと考え、ストレス状態は血を使いすぎてしまう(血虚)ので、結果として血が足りなくなったり、感情の動きであれば血の流れの不足(肝鬱:かんうつ)、と診るのです。

両方とも、一緒に流れている気の滞りを生むので、気滞という状態になり、血の集まるところである子宮の血の流れも弱まるのです。

血は温かいものですが、流れが滞ったところは熱を持ち、それが病理産物である瘀血(おけつ)となり、生理痛の原因のひとつとなるのです。

冷えによる血流不足

続いて冷えです。

こちらはあなたがスッと思い浮かぶ冷えのとイメージと、合致するものも多くあると思います。
実際、冷えの原因は寒いところにいる、冷たい物の飲食、薄着など、外的な要因が多くあります。

鍼灸で考えると、これら以外にも重要な要因がいくつかあります。
いや、むしろ、あなたが思いもよらないからこそ、なかなか生理痛が改善しない要因になっている、と言えます。

体が冷える鍼灸的な要因は大きく2つあります。
睡眠不足
飲食不摂生

この2つです。

睡眠不足は体温調整をしている腎と、夜の睡眠によって血を栄養している肝の働きを弱めてしまうのです。
肝が弱るということは、血流不足を生む➡冷えに体が向かう、となります。

次に、飲食不摂生の中でも、主食(米・小麦粉)や砂糖を始めとする、糖分の過剰摂取が消化器系を弱めてしまうのです。

消化器系の弱りは体温調整をしている腎をダイレクトに弱めるので、体温調整する力が落ちる=冷えるという結果を生みます。

妻の生理痛改善記

妻の状態はまさに、ストレスと飲食不摂生、睡眠不足の三拍子でした。
特に、看護学校通学あたりからがひどい物でした。

生理開始前の異常=PMSがあり、始まったら痛みしんどすぎて服薬。
それでも収まらず床に臥せ、終わりがけは体が重ダルく貧血で動けない…。

典型的な気も血も足りない状態で、月経血には塊もありました。

ストレス:親からの長女としての期待。看護学校への通学と就職。子育て。
貧血:ヘモグロビン値9(正常値12)
ポテチ・パスタ・ピザなどが好き。
甘いものはあまり好きではないが、あれば食べる。
インターン研修のため、慢性的な睡眠不足。
夜勤開始後の昼夜逆転生活。

今考えると、生理痛どころか、一般生活もキツくなるだろうと、簡単に想像がつきます。
全ての悪化原因を含んでいるのですから。

この中で一番最初に行った改善方法は、とにもかくにも飲食の改善です。

運動不足もありましたが、ちょっと運動すると気力・体力の不足から、余計に寝込んでしまうので、一旦後回しにしました。
肉体的にも精神的にも回復させるために、まずは、食べるものを改善しつつ、鍼灸をしていきました。

飲食物改善

ここまで書いてきた通り、血流不足と冷えが生理痛の大きな原因ですから、飲食物を考えます。

主食、なかでも小麦粉製品と糖分を生活からできるだけ減らしました
また、トランス脂肪酸の多いポテチなどの菓子類も、生活からできるだけ減らしていきました。

体に冷えによる慢性的な便秘もあったのですが、飲食物の改善を行った結果、翌月には便通がかなり改善されてきました。

これにより気滞の一部が改善され、さらに糖分の減少により腎が活動する余地が生まれたことで、少しずつ体が温められるようなりました。

体が温まるということは血流が改善するため、食べたものを栄養に変換できるようになったことで、貧血も徐々に回復していきました。
やはり、人間食べ物が大切ですね。

ストレスと睡眠の改善

出産後は乳児の睡眠時間が短いことで、睡眠不足になります。
子育てによるストレスもありますが、子供の成長と共に徐々に減っていきます。
それはそれでまた違ったストレスも増えましたが、それ以上に夜、まとまった睡眠が取れるようになったことが一番でしょう。

回復傾向になった妻は、少しずつパートにでるようになり、パート先である病院で看護師にスカウトされ、現在に至ります。

看護師学校にいき、実習に次ぐ実習で、妻は再び睡眠不足と過労で生理痛がひどくなりました
これにより元からひどかった生理痛が、就職先の病院は夜勤もあったことで、輪をかけてひどくなり、休日はずっとダウンしているような状況になりました。

このあたりで心身がギブアップし、夜勤のないクリニックへと転職。
睡眠不足が改善されてことで再び回復傾向になりました。

人間、夜は寝るもの
これを彼女は、身をもって教えてくれました。

運動による改善

回復傾向に入った妻は、徐々に運動をするようになりました。

これは気が回復したことによる前向きな思考と、体が温まったことによる活動力の向上の影響です。
運動により血流と冷えが改善がさらに進んだことで、現在は多少のPMSは感じることはあるようですが、服薬も不要になり、月経血の塊もほとんどでなくなっています。

血流や冷えの改善のためにも、運動することは欠かせない要素だといえます。

鍼灸による改善

妻の環境の変化に貢献したであろう、鍼灸のことも書いておきます。

クリニックに転職したころから、鍼灸を受診するようになりました。
最初は疲れ切っていたことでかなり過敏になり、わずかな刺激でも強烈な痛みを感じていたようです。

それでも飲食の改善、睡眠不足の解消で回復傾向になっていた妻は、徐々に鍼灸を受け入れ、このころから便秘や貧血も改善さていきます。

具体的に妻に使用した施術は二種類です。

消化器系の改善:脾腎の補法:復溜、陰谷、公孫、脾兪、腎兪
血流の改善:肝腎の補法:復溜、陰谷、曲泉、肝兪、腎兪

これだけですが、これを週2回交互にやりつつ、合間の日は復溜にお灸をしていました。
この間、3カ月。

気血両虚と呼ばれる最悪の状態からの回復としては、かなり短い期間での改善でしょう。
気血両虚から、鍼灸や漢方薬なしの改善では、1~数年がかりの作業になると思います。

現にいろいろ試してみたけど、回復する前に辞めてしまう方が多いのは、それが正しいやり方なのか数カ月をかけて検証し、間違えていたらまた新しい方法を試さねばならないから。

あなたの悪化の原因がわからないから、地図もコンパスも持たずに航海しているようなものになり、結果が出る前に諦めてしまうのです。

鍼灸のできることは、診察から改善へ正しい方向へ導き、飲食や睡眠の改善による心身の回復力を、施術によって増幅させることだと、私は思っています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

心身を整え自然と調和した生活を送ること。
これこそが生理痛改善に必要なことだと、妻の改善記を読んでいただければ、良くお分かりいただけたことと思います。

鍼灸はあなたの改善する意識と行動を、正しい結果に導くとともに、結果までの時間を短くする力があります。

改善には鍼灸だけでなく、あなたの良くなりたい気持ちが最も必要です。
だから楽陽堂鍼灸院は、二人三脚であなたの楽しく陽るい未来のお手伝い、をコンセプトにしています。

ここらでそろそろ、本気で生理痛改善に乗り出してみませんか?

遠くて通えない、感染症が怖い方、鍼灸は痛そうだから嫌だけど、体質は知っておきたい方は、WEB問診もご用意しています。

楽陽堂鍼灸院はあなたのライフメディカルパートナーです。