『サポートする側の人』の心がラクになるヒント

お知らせ

「心がつらい人をサポートする立場だけど、こっちがつらくなってきた」
「励ましたい人、癒したい人がいるけど、うまくいかない・・・」

 そんな『つらい当事者をサポートする側』の方々が、上手にサポートできるヒントをご紹介する記事です。

 今回の記事では

・サポートする時の注意点
サポートする側の人の心をラクにする方法

についてご紹介します。

 この記事は、楽陽堂鍼灸院の中にある美容・メンタル部門”健考庵”のスタッフ紫檀(したん)が執筆しています。

 楽陽堂と健考庵では、東洋医学の知見をもとに体と心の両面を整えることで、患者様と一緒に二人三脚で、ご本人にとっての楽しく陽(あか)るい未来を迎えられるよう、お手伝いをしています。

 健考庵では、お話を傾聴する場を設けています。安心して気持ちを吐き出す場所としてご利用いただけます。詳細はこちら

サポートをする時の注意点

サポートイメージ

 誰かがひどく傷ついていたり、落ち込んだりしている時、癒したい、励ましたい、と思うものです。
子どもの頃から、人間関係の場面で落ち込んだ相手を見ると自然とやっていることが多い行動です。
 が、励ます、癒す、ということは、実はとても難しいことなんです。
 時間がくれば立ち直れそうな小さな心の傷であれば、それほど難しくはないのですが、大きな心の傷を同じような感覚でサポートしようと考えると、いい結果が得られないことが多いのです。

 私はよく、体に負うケガに例えてお話しますが、小さな擦り傷であれば洗って絆創膏をすれば治ります。しかし、大きな傷なのに洗って済ませてしまったら、血が止まらなかったり、そこから感染症を起こしたり、悪化してしまいますよね。
 心の傷の大きさは目に見えないのでわかりにくいものです。本人も深さに気づかなかったり、上手に隠してしまったりすることもあります。

心の傷が深くなりやすいタイプがいる

心の傷イメージ

 また、心の傷は、ご本人の幼少期から培ったベースにある『価値観』や『認知』によって、元々抱えている傷をどれくらいもっているのか。
 というところが大きく影響をしてきます。
 普段は付き合ってきてそこまで気にならなかったり気づかない場合でも、一時的なストレスが強くかかった時、本人もあなたも想像した以上に心の傷が深い場合があります。そのため、普段どんなキャラクターの人なのか、というのは知っておくと判断の基準となります。

普段に抱えているストレスが強い人のチェックポイント

・人生の中で辛い幼少期を過ごしたり、酷い体験をした過去があるなど、すでに心の傷を負っている人
・普段から感情の起伏が激しい人
・普段からネガティブ思考が多いと感じる
・普段から言動が派手だったり変わっている人だと感じている


 いかがでしょうか?
 このようなタイプの方は、普段から強いストレスを抱えていることが多いものです。慢性的に抱えているストレスは、ジクジクとした傷のようにつねに心を痛め続けている状態。
 そのため、さらにストレスがかかったときに、その時受けたダメージ以上に強い影響を受けることが多いのです。

 それを踏まえた上で、現在の心の傷はどれくらいなのか、という判断するためのポイントをご紹介します。

心の傷の深さのチェックポイント

チェック

落ち込んだり悲しんだりしているが、ほぼ普段通りの生活が送れている。
睡眠と食事も普段よりは減っているが、だいたいとれている。
コミュニケーションもほぼ通常通りとれる。

→少し心の傷はありますが、時間とともに徐々に回復していけそうです。

普段よりも心が不安定で、ネガティブの度合いが強い状態が数日続いている。

→かなり強い心の傷がついている可能性が高いです。コミュニケーションには注意が必要。今後の経過も注意深く見守る必要があります。

心の傷によるものと思われる不眠、頭痛、酷い肩こりなど体のどこかの痛みや不調、消化器症状(多食、食欲不振、下痢便秘など)がでている。

心が不安定で、攻撃的または悲観的や自虐的で通常どおりのコミュニケーションが難しい。

または、明らかに普段と言動が異なる。

 →心の傷は相当深いです。通常どおりのコミュニケーションでは、より悪化する可能性が高い状態。場合によっては医療の介入が必要なケースも。

メンタル面での医療介入について

医療イメージ

メンタルの問題で医療が介入する。というと、ドキっとしてしまう方もいるかもしれません。
ですが、それは、これまでの精神医学の在り方と、社会全体の理解のなさによる、イメージの悪さが大きいのではないでしょうか。
メンタルの問題で病院=躁うつ病、うつ病などの精神疾患=暴れたり、壊れてしまった人、という怖いイメージが強くあると思います。

昔は実際にそんな時代もありました。

それには理由があります。
精神医学、というのは他の分野に比べて発展が遅かったこと。
2つ目の理由は目に見えにくい分野であること。
3つめは、研究が難しいこと。人間の脳の仕組みは複雑なのは、ご存じではないかと思います。

悪い、という状態が1から100あったとすると、たとえ1%でも悪いところがあると、悪いところが100%ある人と一緒くたにされていた時代もありました。
牢獄のような精神病院や、なんだかよくわからない薬や、理解不能な言動をする患者さんや・・・。

しかしそんな精神医学も日進月歩進んでいて、現代では、脳、というだけでなく、心の問題も少しずつ解き明かされてきています。

海外では、メンタルケアに対して、専門家を交えたグループカウンセリングや、グループワークといった形態で、人と繋がり人と一緒に傷を癒していく、座談会のような形式の治療法を、医療として取り組むことは、よく知られています。
日本ではまだまだ認知度が低いかもしれませんが、薬や入院のような処置の前に、まずはカウンセリング、話をする、というところから始まることもほとんどですし、何より専門家と話をする、というのが一番の治療とされることもあります。

それでもまだまだ敷居が高いせいで、早く医療にかかれば軽くすんだものが、重症化してようやく医療にかかったため治りが悪い、ということも非常に多いのは、心の傷も、体の傷と同じです。

普通ではない状態じゃないかと感じたら、ためらわず医療機関に相談するという選択も、持っていることは、いいことではないでしょうか。

サポートする側の人の心が、ラクになる方法

自己愛イメージ

 サポートする側である人におすすめしたい、取り組んでおくとサポートがスムーズになることをご紹介していきます。

自分の心をいつも元気にしておく

 人からネガティブな話を聞くと、相手がたとえ親しい人でも家族でも、自分の心にもダメージを受けることになります。
また、感情的になって攻撃的になったりする場合も、受け止めてあげる必要がある時も。
そのため、自分の気持ちが元気でないと、間違った対応を選んでしまったり、こちらが落ち込んでしまったり、衝撃をうけたりして共倒れになってしまいます
 そのため、サポートをする時に、最初にやるのは自分の心の状態のチェック。
 自分の心がしんどいな、という時は無理をしてもいい結果はでません。
 義務感や焦りで無理をせず、まずは自分の心が回復してから、相手に向き合うようにしましょう。
 相手と関わったあとで、自分もネガティブになってしまったな、と感じたら、自分の心がリラックスできるようなことをして回復に努めましょう。

心が傷ついた人とのコミュニケーションのしかたを学んでおく

深く心が傷ついている時は、普段と同じコミュニケーションをとると、より相手を傷つけたり関係性がこじれてしまうものです。
心の傷が深い時は、普段とは違うことがある、ということを念頭において、それに対して適切な対応ができるように知識を身につけておくと心強いです。
現在はネットで情報がたくさん載っていますので(間違った情報もあるので注意が必要ですが)、情報収集しておくといいですよ。

自分の気持ちを押し付けない

 相手に元気になって欲しくて、ついつい「そんなに落ち込んでないで」とか「そんなこと言ってちゃだめだよ」「〇〇したらいいよ」など、否定やアドバイスをしてしまいがち。
 でも、それはあなたの「元気になって欲しい」という気持ちの押し付けとなり、相手を苦しませてしまうことになるんです。
 ですから、まずは、話を否定したりアドバイスを出したりせずに「そうだったんだね」「そう思ったんだね」「あなたはそれが辛かったんだね」と相手の話をただ聴くことが始まりです。
 あなたに話を聴いてもらえたと思えると、自分を受け止めてもらえたと感じて、あなたからの想いとあなたへの信頼がわくことで、安心したり、大丈夫、と思えて癒されていきます。

 人は、癒され安心するといった感情を元に、少しずつ時間をかけて、元気を自分で作っていきます。
 焦らずに、暖かく見守るつもりでサポートしていきましょう。

励ましあえる温かい関係でいるために

励ますイメージ

以上、サポートする時の注意点を中心にご紹介してきました。
癒す、励ます、というのは難しい点もありますが、大切な相手との関係を、お互いに励ましあえるような温かい関係にしていきたいですね。
そのためには想いだけでなく、ちょっとした知識も必要です。この記事が、そのためのお役に立てたら幸いです。

 なかなかうまくいかない・・・。疲れてしまった・・・。
 そんな時は、当院でメンタルをケアするメニューをご用意していますのでお気軽にご相談ください。

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