欲しいものを手に入れるために必要なこと

自律神経

 これまで様々な夢や目標を持ってきました。理想の自分や、理想の環境、仕事、欲しいものや行きたい場所、食べたいもの。
 でも、過去の私は、そのどれも手に入れることができませんでした。
 何故なら『自分自身の土台ができていなかったから』だからです。

こんにちわ。おなじみ、東京亀有楽陽堂鍼灸院。そこで美容と健康部門のセラピストをしています、紫檀(したん)です。(私のプロフィールはこちら
 私の経験談を話すことで、みなさんの役に立てば、というお話、最終話です。

必要なことは、自分を理解し受け入れること

 あれが欲しい、これをやりたい、と願い、それをなんとか手にいれようと足掻いてきました。
 でも、手に入らないものがほとんどで、これまでの私は、悲しんだり、諦めたり、拗ねたりするしかしませんでした。
 正確に言うと、『本気で欲しがっていなかった』。
 ”本気”というと”思いの強さ”をイメージしがちですが、この根っこの部分は、思いの強さよりもさらに深いところにあります。それは

 『自分で、自分が本当は何を欲しくてやりたいのかがわかっていない。』

 ということです。
 本気、の”本”は、”本物か偽物か”の”本”ということです。

 それがわからなくなってしまう理由は、3つあると考えています。

①世の中の様々なものを見て、自分を見失ってしまった。
②自分の感情や価値観の正体を知らない。
③本当の自分を受け入れられていない。
の3つです。

世の中に惑わされて自分を見失いがち

 世の中には、広告が溢れかえっています。
 TVやネットで見る、何かの商品の広告だけではありません。
 ●●が正しい。
 ✖✖がないと幸せになれない。
 美しいとは△△ということだ。
 などの、様々な基準や概念、価値観の刷り込みは、産まれた瞬間から私たちに刷り込まれていきます。
 その影響を全く受けない、というのは無理な話です。
 しかし、それを全て鵜呑みにしてしまい、さらにそれが「正しい」「普通」だと思い込んでしまっていることで、知らない間に自分自身にとって本当は何が幸せなのか、欲しい物はなんなのか、を見失ってしまう。
 ということを身をもって知りました。

 私の場合の例を1つ上げると「お金をかけることが、自分の欲求をかなえるためには必要だ」と思い込んでいたことです。
 そのため、お金をかけられない状態=自分の夢を叶えられない。と思い込んで必要のないストレスを感じたり、今の状態のままではいけない、と思い込んで新しいものを欲しがったりしていました。
 そうならないために必要なのは、欲しい、やりたい、と思った時に飛びつくように行動するのではなく、自分の本当の欲求の正体を探したり、何故そう考えているのか、というのを深く考える必要がありました。
 そうして改めて考えると、大抵のものが、ウインドウショッピングで必要のないものまで買ってしまうのと同じように、元々欲しいものではなく、見たことで欲しい気分にさせられただけ、ということが数多くありました。

自分の感情や価値観の正体を知らない

 次に、素晴らしい人生を生きる上でやっかいなのが、自分の感情や価値観です。
 自分の感情や価値観が、物事に良い方に影響するならいいのですが、私のようにネガティブ思考が多いタイプは、感情や価値観のせいで、人生を制限したり質を下げてしまうことが少なくありません。

 例えば、私は人付き合いが嫌い、というネガティブな感情があったため、できるだけ避けるような行動をとっていました。
 しかし、そのせいで、余計に人間関係をよくする機会を自ら減らし、それによって余計に人間関係の実地訓練をする機会が減って、下手になる、という悪循環を繰り返してきてしまいました。
 これはきちんと心理学などを学ぶことで知ったことですが、『人間関係が嫌い』という意識は、『過去のネガティブ経験』が大きく影響しているだけで、人間関係は訓練や、付き合う人によって上達していくものです。
 また、『〇〇が嫌い』という感情は、過去に似たような経験をした時に、傷ついたり、イヤな思いをしたりしたことを覚えていて、同じ場面に遭遇した時に自分が傷つくのを防ぐために『逃げたい、避けたい』という自己防衛本能の裏返しです。

 何かにチャレンジしないで後回しにしてしまう、という逃げ癖のようなものも、『自分にはできないかもしれない』『失敗するのが嫌だ』という自信のなさや恐怖が根底にある場合も多かったりします。

 私は夫に対してかつてそうだったように、『相手のいうことになんでも従ってしまう』のは、『逆らって嫌われたくない、怒られたくない』という恐怖感や、『自分は劣っているから、自分より偉い相手の言うことに従うべきだ』という劣等感が根底にあります。
 そういった、自分の感情や考えの根底にあるものを知らないと、感情や価値観に流されていくのです。

 そうなった原因のほとんどが親と育っていく環境の影響で、それは改善することができる。
 ということは、多くの人が知らないままです。
 同時に、子どもの頃の影響が、よくも悪くも大きく人の人生に影響を与えるということに、深く驚きました。

本当の自分を受け入れられていない

 もう一つ、夢や希望を叶えるために必要なのは、『本当の自分を受け入れられていない』ということです。
 この場合の”本当の本”も、”本物か偽物か”の”本”。

 新しいことをしようと思っても、自分の心と体の限界を知らないと、あっという間に無理をして、調子を崩してしまいます。
 特に前章でも書いた通り、『自分が心の根っこの部分で思っていること』がきちんとわかっていないと、心が無理するので心のストレスが強くなってあっという間にメンタル疾患になります。

 肉体的には、他人ができていることも、自分の体には無茶なこともあります。

 以前の私は『こんなボロな体でなければ、あれをやりたかったのに』と思ってたことがあります。
 「やりたいことをやりたいだけできることが幸せだ」
 と思い込んだ時期もありました。
 が、そもそも、

『体に合わないことをすることは、幸せには繋がりません』。

 だって、無茶をすれば壊れるのが肉体。
 そして肉体が壊れることが幸せなのかというと、そうではないはずです。心と体がなくなれば、夢や目標も達成しないし、幸せを感じることもできません。

 『やることが幸せなら、やり続けるための対策をする』のが本来ですし、『幸せを感じるには、心と体のベストな状態』であることが必要です。

 数式のように表現するなら、

夢・目標=幸せを感じること=心・体の健康

 この数式を成立させるには、結局、自分の心と体をいかに整え健康に保つのか、は必須なのです。

 時には、他の誰かよりも弱かったり、何かの基準からすると、劣っていることもあるかもしれません。
 でも、それが自分だと、受け入れることで、初めて、自分にとって自分に適した、幸せな人生がスタートしていきます。

自分をよく知るためにどうしたらいいのか

 とはいっても、それでは『本当の自分』を知るためにはどうしたらいいのでしょうか。

 私が普段働いているクリニックの外来では、時折
「自分の体のことは、自分がよく知ってるんだよ!」
 とおっしゃる患者さんがいます。
 でも、そういう方に限って、だいたい病気になっています(だから病院に来てるんですが)。

 それじゃ、自分を知るってどういうことなのか。
 というと、『自分の出自をきちんと知る』ということです。
 この場合の『自分の出自』とは、出身地とか経歴というよりは『自分の感情や価値観の出どころ』
のことです。

 まずは、『自分』ってなんでしょうか?
 様々な意見があるかもしれませんが、自分独自の感じ方や考え方、価値観のことではないかと考えられると思います。

 それらはどのようにできているか、というと、どこからともなく来たものでも、産まれながらにして遺伝子のようにあなたの中にあったものでもありません。

 心理学では、感じ方や考え方、価値観は『子どもの頃からの経験や刷り込みによって育まれたもの+本人の気質』だとわかっています。

 体質では、産まれつき胃腸が弱いとか体が大きいなどがあります。
 気質では、産まれつき外部からの刺激に敏感、とか、気が強い、弱い、などがあります。脳の成長の速度も個人差が激しいものです。

 そのため、『子どもの頃からの経験や刷り込みによって育まれ』る内容によって、『今の自分』は大きく変わります。しかも、その内容って、その時刷り込んだ人たちが『その人たちの価値観で作り上げた、その人達にとって都合がいい世界のルール』なだけです。そのため、過去の小さなあなたは、育ててくれる人たちのルールに従うしかありませんでした。
 
 例えば、私が小学生の時のことです。
 お出かけをするとわかった時に、嬉しくて「わーい!」と飛び跳ねたら、
 「はしゃぐんじゃない!」
 と怒られてたんです。親に。
 これで、私はどう受け止めたかというと、

 嬉しい、楽しいと感じてはいけない。
 感情を表現してはいけない。
 感情を表現すると、怒られる(=嫌なことが起きる)。

 ということを学んだんです。(親はそういうつもりで言ったのではない、と今では理解もしています。)

 おかげで、おとなしい人、感情表現が少ないと言われるようになりました(これはこれで迷惑な話ですが)。
 しかし、大人になった今、その時のようにはしゃぐことこそありませんが、嬉しいと思うことも感情を表現してもいい、とわかったので、今はその時に作られたルール

 嬉しい、楽しいと感じてはいけない。
 感情を表現してはいけない。
 感情を表現すると、怒られる(=嫌なことが起きる)。

は採用していません。

 このように、その時の世界のルールが『今のあなたが住みたい世界』に合っているかどうか、を一度考えてみるのがおすすめです。
 そして『なんの力も持っていなかった昔の小さなあなた』ではなくて、『現在の大人のあなた』が従う必要もないのです。

 このように、元々の『自分の出自を知る』ことは、とても有効です。

 それ、もっと早く知りたかったわぁ…。

 この理屈を最初に知った時の私の感想。
 ネガティブだったり、人生がうまくいってないと感じている人ほど、子ども時代のルールに縛られている人は多いものです。
 そして『自分が住みたい世界を自分で作る』意識もとても大切だと、様々なことを学ぶ中で思うようになりました。

マイナス20歳でいられる方法

 こうして、自分を少しずつ理解し、受け入れて、自分自身を新しく作りかえるようにしていくことで、やっと『幸せだな』と感じることができるようになりました。
 これまでの長年抱えていた苦痛もほとんどなくなり、1日のうち95%くらいを占めていたネガティブな苦痛の気分は、今は10%くらいに激変しています。代わりに占めているのは、嬉しい、楽しい、幸せだ、という気持ち。
 そうすると不思議と「幸運だな」と思うことも増え、「満足感、充実感」がある日常を送れるようになってきました。
 体の不調も激減し、意欲をもって仕事や日常に取り組むことができるし、様々なできごとから受ける精神的肉体的ダメージも減ってきています。

 この文章を書いている今年52歳になります。

 30代の頃を思い返すと、その時よりも、ずっとずっと心も体も活動的で元気です。
 15分歩くのもしんどく感じていたあの頃よりも、運動しているので間違いなく筋力も体力もあるし、そのためかボディラインも引き締まっています。

 肌のつやもいいし、イキイキとしています。

 夢も希望も、30代の頃よりたくさん持っています。
 
 そうしていられるのは、若くいようとしているわけではなくて、心と体の負担を減らし、いい状態を保つ行動をしているからです。

 〇〇歳はこんな感じ。〇〇歳らしい。

 なんて感覚も、どこかの誰かの刷り込みでしかありません。
 何歳になっても、不幸せな人もいます。

 だから、自分なりでいる。幸せでいる。

 年齢なんて深く考えずに、そこだけにフォーカスしていれば、それでいいんじゃないか、と考えています。


 『マイナス20歳でいられる方法』、お読みいただき、ありがとうございました!

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