メンタルを壊す食べ物

自律神経

 最近、健康情報などで、腸と脳は密接な関係がある、と言われているのを見かけるようになりました。
 これまでは、食べるものは肉体の健康には大きな影響があるけれど、メンタルにまで影響があるなんて…と感じた方も多いでしょう。
 私も初めてそれを知った時は、まさか、飲食がここまでメンタルに関係するとは思っておらず、衝撃を受けました。

こんにちわ。おなじみ、東京亀有楽陽堂鍼灸院。そこで美容と健康部門のセラピストをしています、紫檀(したん)です。(私のプロフィールはこちら
 私の経験談を話すことで、みなさんの役に立てば、というお話、11話目です。

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メンタルを壊す飲食のしくみ

 世の中の健康法で、よく飲食のことは語られますが、ここではあまり語られない『メンタルを壊す飲食』についてお話ししようと思います。

 まず、「メンタルを壊す」というのは、どういう状態でしょうか。

 意志と感情がコントロールできて、思考が効率よくできる状態を、メンタルがいい状態とします。
 我慢すべきことが我慢できる。感情は安定していて、頭が冴えて考えがクリアにまとまる。
 という状態です。

 一方、メンタルが壊れている状態、というのは、その逆の状態。
 我慢すべきことが我慢できず、感情が不安定でコントロールできず、頭がぼんやりして考えがまとまらない。
 という状態です。
 これは、他の人と比べるものではなく、自分の中での評価です。

 このメンタルの状態が、飲食物で変化するか?というのを、少し考えてみましょう。

 最近、よく言われるのが「血糖値スパイク」という言葉。聞いたことがある方もいると思います。
 要約すると、飲食によって血糖値がドンッと急激に上がったあと、ガクンと急激に落ちる、という血糖値の数値的な変化のことです。

 これがメンタルに及ぼす影響はどうでしょうか?
 血糖値が急激に上がった時は、テンションが高くなり、多幸感を得られます。それだけならいいのですが、そのあと、必ず急激に血糖値は下がります。
 そうすると、メンタルはどうなるでしょうか?
 気分が落ち込み、やる気がなくなり、心も体もだるくなります。

 これが繰り返されることで気分が不安定なことが常態化して、それを安定させようと無意識に血糖値が高くなるような飲食(糖分油分の多い食事)が欲しくなるのです。

 しかも、過去に血糖値を高くした飲食物を食べれば血糖値が上がる=多幸感が得られる、と体が記憶しています。そのため、血糖値が低くなった時にそれを思い出して、糖分油分を食べたいという欲求が強まるのです。
 
 そう。カフェインやアルコールと同じように、依存症的な状態ですよね?
 この状態、糖依存、とも呼ばれています。
 それくらい、飲食は人間の意志ではコントロールが難しい状態だということです。
 依存症と同じですから、どうにか理由をつけて、どんな手を使ってでも、それを正当化し、手にいれようとするようになっていきます。

 あなたの、「食べたいものを食べることが幸せ!」という気持ちって、糖依存からくるかも…?

 逆に、食べたいものを食べないことによる不幸感は、血糖値スパイクの急降下によって血糖値が異常に低くなった時のメンタルダウン状態を思い出すから、とも言えます。

 これだけで、飲食物がメンタルに影響を与える、ということがおわかりいただけると思います。
 他にも、いくつか飲食物がメンタルに影響を及ぼすしくみがありますが、これはまた別の機会にお伝えしたいと思います。

私の場合

 私の場合は、支配的な親のしつけから解放された反動で「食べたいものを好きなだけ食べる生活」が、最も幸せだ、と思っていた時期がありました。
 それから、まんまと体調を崩して、それでもなんとか体を動かそうと、栄養ドリンク1日2本、コーヒー1日5~8杯、パン・麺食も度々で、毎日めちゃくちゃ疲れていたので、ごはんを作るのがしんどくてコンビニ食が多くなっていました。
 また、生活リズムがめちゃくちゃだったので、食事の時間が不規則、寝る直前にお腹いっぱい食べて寝る、という生活でした。
 唯一救いだったのは、私はあまり油物や甘いものが得意ではなかったこと。
 それでも、これだけ乱れた食生活で体力がとても落ちたため、体調も崩します。もちろん、メンタルもです。

 ようやく飲食もだいじ、とわかってから、最初に試したのはサプリメントでした。
 サプリで、体が元気になるといわれるビタミンやたんぱく質を積極的にとるようになりました。

 それと同時に、悪いとはじめからわかっている、栄養ドリンクを飲むのをやめて休む量を増やし、コーヒーは1日1~2杯に減らしました。

 だいたい数週間で、少し体が楽になってきたかも、と感じられるようになってきました。

 その頃、主人の鍼灸の師匠である小泉先生の治療を受ける機会をいただきました。

 先生とお話しするなかで、
「体力をつけるためにプロテインを飲んでいるんです」
と内心ドヤ顔で言ったら、どこのメーカーのものか聞かれました。
 市販のメジャーな会社のプロテインの名前を言ったら
 「あ、それダメだよ」
 クールに一刀両断(笑)。
 正直、ダメなの!?というショックと、ちょっと怒りも湧いて(笑)先生に尋ねました。
 「何故ですか?」
 その問いに、小泉先生の答えは一言。
 「添加物がいっぱいだからです」

 添加物。
 様々な食品に入っているのは知っていましたが、そんなに影響があるものだろうか?
 それが最初に聞いた時の感想です。

 それでも、体を治すプロがそう言うのだから、それくらい大きな影響あるのかも…?と思い、少しずつ添加物の摂取を減らしていきました。

 コンビニ食をやめ、パン食をやめ、粉もの(小麦粉製の食材)を減らし、空腹のときの一口お菓子のつまみ食いをやめ、ペットボトル飲料をやめ。
 やめ、といってもいきなりゼロにするのではなく、少しずつできることから減らしていきました。今でも時々はコンビニや総菜パンを食べることもあります。

 が、そうしていくうちに、慢性的な疲れと体のだるさが、どんどん軽くなっていくことに気づきました。
 変化を感じたのは、ほんの1週間くらいです。

 さらに、久々に以前食べていたようなものを食べると…体が重くなったり、調子が悪くなる、ということにも気づきました。

 思ったより、添加物って影響あるんだ…。
 もちろん、ひとつひとつの食品に入っている量は、たいしたことないかもしれません。

 でも、考えてもみてください。

 今どきの食品、だいたいほとんど全て入ってますよね。
 しかも、いろんな添加物。

 添加物一つ一つは”心配ない”とはいえ、”無害”なわけではありません。しかも、

様々な添加物の相乗効果でどんな影響があるんでしょうね?

 という話です。

 そういうことに気づいてからやっと、食生活を変える意識が持てるようになったのです。
 今では栄養ドリンクはほとんど飲みませんし、炭水化物もご飯を少しぐらいで、麺類、パン類もほとんど食べなくなりました。糖分はもちろんのこと、油物も控えるようになりました。
 以前は毎日帰宅途中にコンビニに寄って、間食代わりに〇〇〇チキや肉まんを食べていたのに。
 
 それじゃあ、私は以前より幸せが減ってしまったか。というと、そんなことは全くありません。

 ちょっと視点をかえれば、それ以外にも美味しいものはたくさんあります。
 それまでは、調味料の味(甘い、辛い、〇〇風味、など)でおいしいかおいしくないか判断していたな、と思います。今では、一つ一つの素材の味を味わい、美味しい、と感じます。

 そもそも食べるタイミングだって1日のうちの数回。
 その数回分のおいしいと感じる幸せを、他の幸せに置き替えることができるようになるのは、まだもう少し先の話ですが、そうして、少しずつ食生活を整えることで、私の体調はだいぶ落ち着いていきました。

 こうして、睡眠、運動、飲食と、少しずつ生活を整えていき、少しずつ整っていった私でしたが、ここでまた一つの壁にぶちあたったのです。

 体はだいぶ整ってきた感じがする。

 でも。

 生きることが、やっぱり苦しいと感じていたのです。

続きをお楽しみに!


ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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